双日の100%子会社である双日ロジスティクスが、ベトナム国営物流会社ビナトランス社と、総合物流サービスを行う合弁会社、双日ロジスティクス・ベトナムを設立したと発表。資本金は約3800万円で、双日ロジスティクスの出資比率は51%だという。
ベトナムは過去10年にわたってGDP成長率平均7.25%を維持しており、他のASEAN諸国を凌ぐ経済成長率を続けている。特にホーチミン近郊においては、大深水港カイメップチーバイ港の開発、東西・南北経済回廊の整備が進んでおり、アジア諸国を結ぶ物流ネットワークの一大拠点に変貌しつつあるという。こうした中、双日ロジスティクスは、インドシナ各国向けに、第二東西回廊を活用したベトナム・カンボジア間の国境での貨物積替えなしでの一貫輸送サービスなど、国際複合一貫輸送サービスを展開中。また、双日が開発・販売中のロンドウック工業団地に於いては、団地内に保税機能も兼ね揃えた大型倉庫を建設し、物流サービスをワンストップで提供する工業団地物流サービスを開始していた。今回の合弁会社設立により、ベトナムのみならずメコン全域に於ける域内・海外物流に取り組み、南北経済回廊を活用した物流などについても順次サービスを検討していく。
在ベトナム日本大使館経済班のレポートによると、2012年の年初から5月20日までの外国直接投資認可額は前年同期比31.8%減と大きく減少している。しかし、博報堂がベトナムに2拠点目となる「博報堂ベトナム」を設立、日本電産も子会社である日本電産セイミツが子会社を設立し新工場を建設するなど、日本企業の進出は依然として多分野にわたって活発であり、新規投資認可額の76.9%が日本からの投資だという。諸外国による投資の減少は何を意味しているのか、そして、その中で依然として活発に投資を行う日本企業の行く末はどうなるのか。注目に値するのではないだろうか。