26日は東証マザーズにMRT<6034>が新規上場する。東京が本社でネットを活用した医療人材紹介事業を行う。公開価格は800円(22日の中広<2139>は名証2部から東証2部へ、グランディーズ<3261>は福証Qボードから東証マザーズへ、26日の日本商業開発<3252>は名証2部から東証1部への市場変更で、新規IPOではありません)。
海外の経済指標はクリスマス前の22、23日に集中する。22日のアメリカの中古住宅販売件数が重要。22日はアメリカの11月のシカゴ連銀全米活動指数、中古住宅販売件数、ユーロ圏の12月の消費者信頼感指数、23日はフランスの7~9月期の国内総生産(GDP)確報値、英国の7~9月期の国内総生産(GDP)確報値、カナダの10月期の国内総生産(GDP)、アメリカの7~9月期国内総生産(GDP)確報値、11月の耐久財受注額、10月のFHFA住宅価格指数、12月のミシガン大学消費者信頼感指数確報値、11月の新築住宅販売件数、個人所得・個人消費支出が、それぞれ発表される。
23日にギリシャの国会で大統領を選出するための第2回の投票が行われる。24日にトルコ中銀金融政策決定会合が開かれ、政策金利が発表される。アメリカ主要企業の決算は予定されていない。
前週の15、16日は、東京市場だけでなくグローバルマーケットにとって「受難の2日間」となった。原油先物価格が底なしの勢いで下落し、それがロシアの通貨ルーブル危機も引き起こして世界的なリスクオフを招き、為替は円高に大きく振れた。日経平均は15日は272円安、16日は344円安。NYダウは15日は99ドル安、16日は111ドル安。前週の週間の最安値は前々週終値と比べ、日経平均は4.0%、NYダウは1.2%安かった。NYダウの最安値は前々週11日の終値と比べても3.0%の下落で、NY市場よりも東京市場のほうがいっそう厳しい下げを経験していたことになる。海外投資家が「原油先物の損失を穴埋めするために日本株を売った」という話も伝わって、「東京市場は世界の奴隷か?」と悔しくも情けない気分にさせられた。
オーバーシュート(売られすぎ)かどうかはともかく、12日の高値から17日前場の安値までの間の853円の下落は、下値の支えになると思われた12日の「まぼろしのSQ値」(17281円)のアノマリーへの期待をこなごなに粉砕してしまった。それでも「SQ後週のアノマリー」は健在で、安値から19日の高値引けまでに948円ものリカバリーを決めて、週間騰落を249円のプラスにした。その回復力には世界も驚いているだろう。
では、前週前半の原油安やロシアなどの通貨危機はそれほどの「大恐怖」だったのだろうか? 日米欧の「恐怖指数」を比べると、確かにシカゴVIX指数は16日の23.47、欧州恐怖指数(VSTOXX)は15日の29.53が12月のピークで、日経平均VIは16日に26.62に達した。しかし直近にはシカゴVIXが25.20、VSTOXXが31.52、日経平均VIが29.79をつけた「もっと恐怖だった日」がある。それは10月16日で、NYダウは173ドル、日経平均は335円下落している。日経平均VIの12月のピークは10日の30.04で、15、16日はそれより低い水準だった。つまり「恐怖指数」と比べて株価指数の下落は、特に東京市場は突出して大きくなり「売られすぎ」の様相を呈していた。これは何を意味するのだろうか?
為替相場などはっきりした悪材料の影響で下落する分を超えた分とは、まさに「マーケットの気分」によって下がっていったのである。悲惨な株価は自然にできたのではない。人の心が悲惨な株価をつくったのだ。
今週の25日はクリスマス。かつてジョン・レノンとオノ・ヨーコさんはこの日に際して「君が望めば、戦争は終わる(WAR IS OVER! IF YOU WANT IT)」というメッセージを全世界に送っていたが、マーケットに即して言えば「君が望めば、不安も恐怖も世界的なリスクオフも終わる」である。それらはみんな人の心が起こすこと。戦争も同じだ。
人の心が悲惨な株価をつくったということは、その逆もあるということ。人の心はハッピーな株価もつくり出すことができる。ジョン&ヨーコ流に言えば「君が望めば、18000円台にも再び乗せられる」である。前週は「日銀砲」の助けを借りることなく、18日に390円高、19日に411円高と2日で日経平均を800円以上も急回復させた。その勢いで、今週は前途に確信を持った投資家の意志の力によって、日経平均が再び18000円の大台にタッチする週になると期待したい。