厚生労働省は2015年1月から、インターネットを使ったブラック企業の監視を始める。ネット上に公開されている求人情報からブラック企業を見つけていくとのことだ。この新しい取り組みは、ブラック企業の撲滅に有効な一石となるのだろうか。
厚生労働省は2015年1月から、インターネットを使ったブラック企業の監視を始める。ネット上に公開されている求人情報からブラック企業を見つけていくとのことだ。この新しい取り組みは、ブラック企業の撲滅に有効な一石となるのだろうか。
職場に対する不満というのは誰でも持つもの。理想の職場はどこにもないのかもしれないが、サラリーマンの4人に1人が、20代では実に3人に1人が自分の勤め先をブラック企業だと考えているそうだ。高度成長期では「我慢すれば、明日はもっとよくなる」と思えたことも、現代は不満の解消がうまくいかないのかもしれない。しかし社会人の不満の原因は、本人にばかりあるのでは、もちろんない。
従業員を使いつぶす、いわゆるブラック企業が社会的な関心事となって久しい。13年、厚生労働省は、5000以上の事業所に調査を行い、4000以上の事業所に法違反の是正を指導した。調査対象となった企業の実に八割が、何らかの法令違反を犯していたと言うことになる。これは非常に高い割合と言わざるを得ないのではないか。
こうした背景からか、15年1月より、厚生労働省はブラック企業に対する新しい取り組みを始めた。インターネット上の求人情報を監視し、公表されている給与が高すぎたり、頻繁に求人を出している企業などを見つけ出すというものだ。ブラック企業は嘘の情報で社員を募集したり、また求人を頻繁に行っていることが多い。そういった企業をネット上で発見することで、効率よくブラック企業を見つけ、指導をしやすくするという。
この取り組みはあくまで求人情報を元に、ブラック企業の疑いのある企業を見つけていくというもので、これですべてのブラック企業が発見できるわけではないだろう。ブラック企業も何らかの対策をするだろうし、いくらネットの求人情報から疑わしい企業を発見できても、指導するためには決定的な証拠が必要だろうからだ。つまり現状では、自分で情報収集し、ブラック企業を選ばない工夫が必要となる。様々な情報を組み合わせ、いい会社を選ぶ目が、しばらくの間は必要なようだ。(編集担当:久保田雄城)