連合が携帯電話によるインターネットリサーチで11月1日から7日間に20歳から59歳までの被雇用者男女それぞれ1500人の計3000人を対象に『ブラック企業に関する調査』を行った結果、20代の3人に1人が『勤務先がブラック企業』と感じていることが分かった。全体でも4人に1人の割合でブラック企業と感じていた。
勤務先がブラック企業と感じると答えた808人が、そう感じる理由としてあげたのは「長時間労働が当たり前」というもので、52.2%が長時間労働をあげた。また「仕事に見合わない低賃金」も46.3%あり、「有給休暇が取得できない」が37.4%と続いた。また、ブラック企業だと感じる正規労働者の4割はその理由に「サービス残量が当たり前」をあげていた。
このほか、「休憩時間が取得できない」(22.6%)、「自主退職への追い込み、強要が行われている」(13.9%)、「労災隠しが行われている」(8.2%)という深刻なものも高い率になった。
また、ブラック企業問題の助長要因では「雇う側がみなし労働時間制や裁量労働制、年俸制などを悪用している」をあげた人が52%となった。「定時に帰れない、有給休暇を取れない雰囲気、企業風土など」をあげた人も38.7%あった。「雇う側が求人広告で嘘をついた」(34.7%)、「仕事のルールが雇う側に有利にできている。あるいは未整備」などとした人も31.3%と高かった。
厚生労働省はHPで労働条件相談ホットラインを立ちあげ、夜間や土日に無料で相談に応じているほか、『使い捨て』が疑われる企業への重点監督、立ち入り検査などに取り組んでいるが、勤務先がブラック企業と感じている人では6割以上が国の対策を評価しておらず、「ブラック企業の社名公表や労働基準法違反に対する取り締まり強化、相談窓口の設置、充実」を求めていることも分かった。
厚労省の重点監督実施では5000社を超える事業所を対象に実施し、82%で労基関係法令の違反が見つかっている。事例では違法な時間外労働があったものが2000社を超え、43.8%、賃金不払残業が23.9%、過重労働による健康障害防止措置が実施されていなかったものが71社であった。
厚生労働省では法違反を是正しない事業場については送検も視野に入れ対応するとしており、送検した場合には企業名等を公表することにしている。(編集担当:森高龍二)