外務省はシリアの邦人拘束事件について、岸田文雄外務大臣とケリー米国務長官と電話会談を行った概要について21日、公表した。ケリー国務長官は「一刻も早い事件の解決に向けて米として日本に全面的に協力する。引き続き緊密に連携していきたい」旨の発言があったとしている。
電話会談で岸田外務大臣は「米がプレスステートメントでいち早く我が国に対する全面的な支持、連帯の意を表したことに感謝する」旨を伝えたほか(1)安倍総理が発表した2億ドルの支援は難民支援を始め、非軍事的な分野でできる限りの貢献を行うためのものであること(2)日本はテロに屈することなく、国際社会によるテロとの闘いに貢献していくこと(3)米国政府からは事実関係に関する情報収集、当該邦人の早期解放に向けた協力等で支援をいただきたいことを伝えたとしている。
邦人拘束の犯人は安倍晋三総理が中東でのスピーチで、イラク、シリアの難民・避難民支援、トルコ、レバノンへの支援をするとし、支援の理由は「ISILがもたらす脅威を少しでも食い止めるためであり、地道な人材開発、インフラ整備を含め、ISILと闘う周辺各国に総額2億ドル程度支援を約束する」としたことに、同額の2億ドルを求めており、ネットでの動画アップから72時間以内に支払いがなければ邦人を殺害するとしている。72時間のタイムリミットは「23日午後2時50分ごろ」との認識を菅義偉官房長官は示した。(編集担当:森高龍二)