過激組織・イスラム国と称するグループが邦人2人を拘束し、72時間以内に身代金2億ドルを支払わなければ殺害するとのビデオメッセージを出した「シリアでの邦人拘束事件」を受け、安倍晋三総理は20日、内外記者会見を開き「邦人の殺害予告に関する動画が配信された。人命を盾に脅迫することは許し難いテロ行為で、強い憤りを覚える」としたうえで「2人の日本人に危害を加えないよう、直ちに解放するよう、強く要求する」と述べ「政府全体として、人命尊重の観点から対応に万全を期すよう指示した」と語った。
また、安倍総理は「外務副大臣をヨルダンに急きょ派遣し、ヨルダン政府との連携・情報収集に当たらせる。また、現地対策本部責任者として対応に当たらせる」と述べ、自身も「パレスチナのアッバース大統領とも話し合う。急きょ、日程を変更し、本件の対応に全力を尽くす。菅義偉官房長官にもその旨電話で指示した」と語った。
安倍総理は「卑劣なテロはいかなる理由でも許されない。断固として非難する。日本は国際社会と手を携えていく」と強調した。
また「日本もイラクやシリアからの難民支援を始め、非軍事的な分野でできる限りの貢献を行っていく。我が国がこの度発表した2億ドルの支援は地域で家を無くし、避難民となっている人たちを救うため、食料や医療サービスを提供するための人道支援」と支援の性格を改めてアピールし「正に、避難民の方々にとって最も必要とされている支援であると考えている」と述べ「そもそも、過激主義とイスラム社会とは全く別の物。このことは明確に申し上げておかねばならない」とした。(編集担当:森高龍二)