「ゴルフ離れ」は若者だけではない 45歳以上も「お金がかかる」と敬遠

2015年01月27日 12:11

 「最近の若者はゴルフをしなくなった」と言われるが、“ゴルフ離れ”しているのは何も若者だけではない。総務省統計局の「社会生活基本調査」によると、ゴルフ(練習場含む)をしている男性は、1996年の22.4%から、2011年には13.7%と約8ポイント減っている。世代別でみると、96年には25~54歳男性の3人に1人がゴルフを楽しんでいたが、2011年には全世代で半減。「ゴルフ離れ」が指摘される20~30代では6割減だが、40代以上でも5割減と、決して見逃せないほど減っている。

 中高年世代の「ゴルフ離れ」について、武蔵野美術大学の北徹朗准教授と㈱ネオマーケティングが、45歳以上の男性を対象に調査したところ、ゴルフコースを回らなくなった理由として「あてはまる」「まああてはまる」の合計が最も多かったのは「プレーフィー(料金)が高い」だった。プレーフィーの高さは45歳以上の全世代でトップを占め、ゴルフ離れの一因になっている。

 調査は2014年12月10日~12日にかけて実施。アンケート対象は、過去に年1回以上ゴルフをしていたが、現在まで5年以上コースを回っていない「45歳以上の男性」400人で、方法はウェブアンケート。

 ゴルフをしなくなった理由として、「プレーフィーが高い」の次に多かったのは「用具価格が高い」、次いで「所得が減った」となっており、“お金”に関する項目がトップ3を独占した。国税庁の「民間給与実態統計調査」によると、40代の平均給与は90年代後半からこれまでに70万円ほど減っている。40代にもなれば、教育費や住宅ローンが重くのしかかる。「とてもゴルフをする余裕はない」という人も多いだろう。「プレーフィーが高い」「用品価格が高い」は45~50歳で多く、それぞれ3人に1人にのぼった。

 料金の高さについては、ゴルフ場でプレーした際に、1日1人あたり800円~1200円が課税される「ゴルフ場利用税」も一因とされる。“ゴルフは贅沢”という時代ではなくなり、消費税との二重課税も指摘されているため、「ゴルフ税廃止論」も根強い。ただ、15年度の税制改正では見送られた。すべての世代で賃金が伸び悩む中、「中高年のゴルフ離れ」を食い止めるのは難しい。(編集担当:北条かや)