ゴルフ人口は減少傾向にあり、過去15年で約4割も激減している。団塊の世代がリタイアする2015年以降、さらに問題は深刻化すると予想されている。アメリカやゴルフ発祥の地イギリスでもゴルフ離れが進んでいる。
ゴルフの「2015年問題」はご存知だろうか。現在ゴルフ人口は減少傾向にあり、団塊の世代がリタイアすることでさらに拍車がかかると予想されている。それが顕著に現れるのが15年以降とされており、ゴルフ業界では生き残りにかけて戦々恐々しているという。
総務省が全国8万4,000世帯を対象に実施した「2011社会生活基本調査」によると、ゴルフ人口はバブル崩壊に伴い過去15年で約4割も激減している。1996年には約1,537万人あったゴルフ人口だが、2011年には924万人にまで減り、ゴルフ参加率も14.4%から8.1%へ低下している。
一方、ゴルフアミューズメントパークが13年に発表した「ゴルフをしない生活者」に関する意識調査では、ゴルフ未経験者のうち「ゴルフに無関心」とするのは約7割で、「経験はないが興味はある」とするのは約3割だと言うことが分かった。対象は15~69歳の男女で、12年12月26日~27にかけてインターネットで調査が実施された。なぜゴルフをしないのかという問いには無関心層も興味を持つ層も「プレーにお金が掛かりそうだから」という回答が1位で最も多く、2位も「用具にお金が掛かりそうだから」となり、金銭的な問題がハードルとなっているようだ。若い世代の取り込みを狙って、20歳を対象にプレー代を無料にするキャンペーンや、クラブの無料貸し出し、格安レッスンを実施するなど、ゴルフ界も積極的に対策を打ち出している。
ゴルフ人口減は日本に限ったことではない。ロイター通信によると、アメリカでは過去10年で500万人減少しており、今後数年でさらに20%減ることが予想されている。ゴルフ王国イギリスでさえも、ゴルフ離れは進んでいるという。世界的にも問題となっているゴルフ離れだが、その理由のひとつとして挙げられているのが、人付き合いの手段の変化だ。ゴルフの魅力のひとつでもあるのが、プレー中の同伴者とのコミュニケーション。ビジネスにおいてもゴルフは重宝され、仕事を間に挟みながらラウンドを回ることは珍しくなかった。しかしそれが今ではSNSにとって代わられていると指摘されている。
アメリカでは初心者や若者の取り込みを狙って、カップをバケツサイズに広げるなど、苦肉の策を労している。ゴルフボールの代わりにサッカーボールを使用する「フットボールゴルフ」なるものも生まれており、日本でもこうしたユニークな方策を取り入れる日が来るかもしれない。(編集担当:久保田雄城)