富士通、今期純利益を上方修正すると発表

2015年02月03日 08:39

 富士通<6702>が30日に発表した2014年度第3四半期(14年4月~12月)の連結業績によれば、当期純利益は前年同期比11.6%ダウンの517億円であったが、しかしその一方で15年3月期連結純利益予想(国際会計基準)について、想定外の円安進行の影響や国内での金融機関や官公庁の投資拡大などにより、これまでの予想よりも70億円増やして前年同期比17%アップの1320億円に上方修正するとの発表を行った。

 富士通が発表した2014年度第3四半期の連結業績は、売上高が前年同期比0.4%アップの3兆3644億でほぼ横ばいの結果で、営業利益は前年同期比0.1%ダウンの654億円であり、増収減益という結果であった。また経常利益は前年同期比6.3%アップの834億円、当期純利益は前年同期比11.6%ダウンの517億円であった。

 金融機関や公共向けのサービスが好調に推移したものの、通信キャリアによる携帯電話基地局の需要が減少したため減益となった。

 そして同日、富士通は15年3月期連結業績予想を発表。それによれば売上高はこれまでの予想と同じ前年同期比1%アップの4兆8000億円、営業利益もこれまでの予想と同じ前年同期比26%アップの1850億円としたものの、純利益についてはこれまでの予想よりも70億円多い前年同期比17%アップの1320億円に上方修正した。

 上方修正の要因として富士通は、円安進行の影響により海外サービスの収益で増加を見込むことができる点や、金融機関や官公庁などの国内のIT投資が堅調に推移している点などを挙げている。

 そしてセグメント別に売上高の見通しを見てみると、「テクノロジーソリューション」でこれまでの予想よりも200億円増やしての3兆3400億円、「システムプラットフォーム」ではこれまでの予想よりも100億円減らして6200億円、「ユビキタスソリューション」はこれまでの予想よりも50億円増やして1兆4050億円としている。そして「ユビキタスソリューション」のうちパソコン・携帯電話においてはこれまでの予想よりも50億円増やして7050億円としている。そして「デバイスソリューション」はこれまでの予想よりも100億円減らしての5800億円としている。(編集担当:滝川幸平)