第一世代は「NA」、そして「NB」(第二世代)、「NC」(第三世代)、そして間もなく発売となる第四世代の「ND」

2015年02月04日 12:38

RoadSter

第四世代に至って肥大化してきたモデルを初代返りさせる新型ロードスターND系。マツダが言う“手頃な価格”とはいかほどか?

 その「ND」は今年発売される新型だ。型式「ND」は2014年9月に日米欧で世界初公開。その後、日欧でファンイベントを開催した。パリモーターショー、米SEMA(デトロイト)ショー、米LAモーターショー、さらに2015年1月には東京オートサロンでプロトタイプのお披露目が行なわれた。また、2014年12月には静岡県のクローズドコースで、一部メディア向けに極秘で試乗会を実施している。

 マツダの資料によると、1989年5月に米国で発売されて以来、「NA」~「NC」の総生産台数(2014年11月末現在)は、94万9471台。総販売台数は93万9028台。地域別販売台数の内訳を列記すると、北米が44万4835台、欧州が30万1673台、日本が16万8455台、オーストラリアが1万6898台、2009年から発売開始した中国が1793台、その他地域(1999年からの記録)が5374台ということである。

 「ロードスター」は世界で最も多くの人たちが愛用している「ふたり乗り小型オープンスポーツカー」だ。ギネスでも認定されている。

 その新型の画像がメディア向けに相当数公開された。資料によると市販化前提モデルのディメンションは全長×全幅×全高3915mm×1730mm×1235mm、ホイールベース2315mm。4m未満の全長、1200mmを僅かに超える全高は、かなり小さくて低い。車重は1000kg。この車重の軽さと、全長とホイールベースの短さが際立っている。これだけで、ロードスターの運動性能の特徴であるハンドリングの “ヒラリ感”が伝わってくるし想像できる。

 日本仕様の搭載パワーユニットは、SKYCATIV-G1.5リッター直列4気筒直噴ガソリンエンジン。そのアウトプットは、最高出力131ps(96kW)/7000rpm、最大トルク15.3kg.m(150Nm)/4800rpmとなる。フロントミッドシップにコンパクトなエンジンを搭載し、組み合わせるトランスミッションは、現状で6速マニュアルと発表されている。

 シャシーの画像などは昨年から公開されており、サスペンションは前ダブルウイッシュボーン、後マルチリンク。ブレーキは前後ディスクで、前ベンチレーテッド式となる。タイヤは前後とも195/50R16サイズ、ホイールは写真を見る限り流行りの切削タイプではないところに好感をもった。

 初代ロードスターが発表されたのは1989年2月9日、シカゴオートショーだった。当時、オープンライトウェイトスポーツと呼べるクルマはほとんど姿を消していた。1940年代後半以降、ロータスなど英国勢から広まったこのカテゴリーは、小型軽量ボディによる軽快な走り、個性的なスタイル、手の届きやすい価格によって1960年代頃までは世界的な人気を博していた。が、その後、実用性や安全性を追求した自動車への欲求からか姿を消していった。

 初代ロードスターを設計したマツダのエンジニアやデザイナーは、クルマ好きでドライビングが好きな世界中の人々のために、気軽に楽しめるライトウェイトスポーツカーの復権を目指した。彼らは、運転すること、走ることが楽しくて仕方がないようなクルマを造り上げるために、軽量コンパクトな2シーターのオープンボディ、フロントミッドシップに積んだエンジン+後輪駆動、前後重量配分50:50、低ヨー慣性モーメント、加えて手頃な価格であることを、マツダが造るライトウェイトスポーツカーの大原則とし、ロードスターを開発したのだ。

 その初代が掲げたコンセプトに立ち返る新型がこの「ND」系である。その小さなスポーツカーは、シンプルで親しみの持てるスタイル、マツダが「人馬一体」と定義した思いのままに操る感覚に満ちた軽快な走り、オープンらしい開放感などを、かつて無いほど高めたモデルだという。(編集担当:吉田恒)