このところ、4K/8Kといった高画質化技術についてのニュースが多い。東京オリンピック開催がさらにそれを後押したような感じだ。前回の東京オリンピックはTVというメディアを普及させた。今回は、超高画質化技術を普及させようというわけか。
独立行政法人 情報通信研究機構(NICT)は5日、さっぽろ雪まつりの8K/4K映像を用いて、30者を超える産学関係者との連携によるNICT主催の実証実験として、8K非圧縮映像の超広帯域IPマルチキャスト伝送実験に世界で初めて成功したと発表した。
これは、昨年から稼働を開始したJGN-X の100Gbpsネットワーク上に構築された広帯域の仮想化ネットワークを活用した実証実験。昨年成功した100Gbps回線上での8K非圧縮伝送検証実験のさらなる発展事例となるという。
今回、JGN-Xの100Gbps基幹回線を活用し、東京~大阪~北陸間で、8K映像及び4K映像の非圧縮データを複数拠点へIPマルチキャストにて伝送できる仕組みを構築した。さっぽろ雪まつり会場にて撮影した高解像度映像などを国内の複数拠点へHD圧縮(30Mbps)、4K、8K非圧縮(24Gbps)をそれぞれIPマルチキャストネットワーク上で伝送する実験を神奈川工科大学ほかと共同で実施し、正確な制御性能を実証した。
今回、マルチキャストを100Gbps上で実現したことで、8K非圧縮映像のような大容量データを複数拠点で用いる実証実験が、帯域利用・経路選択の面で、より効率的に実施可能となるという。今後は100Gbps回線の高度な運用技術をテストベッドJGN-X利用者へ提供することにより、ソーシャルビッグデータ処理などの用途に的確に対応できる将来の新世代ネットワークの早期実現に向けた研究開発を促進する方針だ。
最近、AmazonなどでDVDやBlu-rayソフトのユーザーレビューやコメントなどを見ると、いずれ4K/8K対応製品が発売されるであろうことから、現時点で購買を躊躇するコメントが多い。JEITAの発表では2013年のテレビ販売総数538万台の内4K対応テレビの販売総数は約27万台という。まだ、4K放送やソフトが出遅れていることからすると、この販売台数は驚異的な数字だと思う。世の中の期待は大きいのだろうが、まだ身近に感じられないのは筆者だけだろうか。 (編集担当:慶尾六郎)