「クールジャパン」の認知度28%、シンガポールなど東南アジア各国

2015年02月19日 12:18

 日本を訪れる外国人観光客が増えている。日本政府観光局(JNTO)が1月20日、公表した統計によると、2014年の訪日外客数は前年比29.4%増の1341万4000人で、過去最高を更新した。昨夏に行われた、東南アジア各国に対するビザの大幅緩和や、円安、さらに昨秋には「消費税免税制度」が拡充されたことなどが相まって、アジアからの観光客が増え続けている。アジアは経済成長が著しく、海外旅行需要が拡大していることもプラス要因だ。政府は経済成長の一環として “クールジャパン”戦略を重視しており、日本の魅力をいかに売り込むかが、インバウンド消費のカギを握る。

 マイクロアド(本社・東京)が、シンガポール、タイ、マレーシア、インドネシアに住む16~69歳の男女1200人(各国300人)にアンケート調査を行ったところ、訪日経験については「シンガポール」が48%と最も高く、半数にのぼった。次いで「タイ(29%)」「マレーシア(28%)」「インドネシア(22%)」となっており、東南アジア主要国のいずれも、訪日経験が2割を超えている。調査期間は2015年2月2日~2月6日、方法はGMOリサーチを利用したインターネット調査。

 日本に関する情報収集方法をいくつでも答えてもらったところ、訪日経験の有無にかかわらず「オンラインサイト」が25~26%を占めた。次いで「テレビ」も、訪日経験者で20%、未経験者で25%と大きな割合を占めている。メディアの影響力は、「友人・家族」(訪日経験者:14%、未経験者:12%)よりも大きいといえそうだ。一方で政府が、海外に日本文化を発信したいとする“クールジャパン”戦略については、7割が“クールジャパン”という言葉すら聞いたことがないと回答した。訪日経験者では43%が「聞いたことがある」と答えているのに対し、訪日未経験者では22%と、約2倍の開きがある。政府は“クールジャパン”を海外に浸透させ、観光客の増加につなげたい考えだが、実際には、訪日を決めた、あるいは訪日してから初めて“クールジャパン”の言葉を知る人が多数派だ。まだ日本を訪れたことのない人への認知度を高めるには、戦略の再考が必要かもしれない。(編集担当:北条かや)