ニューヨークでも!世界に進撃する日本のOTAKU文化

2014年10月26日 10:41

画・ニューヨークでも!世界に進撃する日本のOTAKU文化

画像は初音ミク。アニメなどのキャラと思っている方も多いかもしれないが、元はクリプトン・フューチャー・メディアが発売している合成音声ソフト。ニューヨークではコミコンはもちろん、初音ミクのアートギャラリーも話題を呼んでいる。

 ここ数年、世界に向けまさに『進撃の巨人』という勢いで展開している日本のコミック・アニメなどのポップカルチャー。アメリカ・ニューヨークでも2014年10月9日から12日の4日間、アニメや漫画の祭典「ニューヨーク・コミック・コン(コミコン)」が行われた。さらに、それに合わせニューヨークのイベントスペース「Wallplay」にて、初音ミクのアートギャラリー「Hatsune Miku Art Exhibition Universal Positivity」も10月9日から19日まで開催。ニューヨークが「OTAKU」に沸いた10日間となった。

 ニューヨーク・コミコンは06年から毎年行われていて、回数を重ねるごとに来場者数が増加。今年はチケット15万枚が発売数時間で売り切れるほどの人気となった。日本でアメコミと呼ばれる『バットマン』などのアメリカのコミック文化だけでなく、日本の漫画やアニメ、ゲームなどにも人気が集まり、日本企業ブースも大きく展開。日本のアニメキャラクターのコスプレを行うアメリカ人も年々増加しているようだ。

 中でも今年話題を呼んでいたのは人気ゲーム『FINAL FANTASY』シリーズを手がける、スクウェア・エニックス〈9684〉の野村哲也氏がデザインしたバットマンやキャットウーマン、初音ミクのフィギュアだ。キャットウーマンは『バットマン』シリーズに登場する人気キャラクターで、アメリカの超大手コミック会社「DCコミック」の看板娘。そして初音ミクは今や日本を飛び出し、海外のファンからも絶大な人気となっている。日本のキャラかアメリカのキャラか、ということなど関係なく、ファンはもちろん企業同士も積極的にコラボレーションを行うことで、文化面でも経済面でも相乗効果を生んでいる好例だろう。
 
 一方、イベントが巨大化することでの問題点も生まれはじめている。来場者数が会場のジェイコブ・コンベンションセンターのキャパシティを超えてしまい、運営管理が行き届かなくなっているという指摘もある。大きなトラブルなどは報告されていないものの、参加したくてもチケット自体が入手困難になっている問題などもあり、今後は運営面での修正が必要だろう。

 日本のコミック、アニメ、ゲームなどの「オタク文化」は確実に一大ソフトパワーとなりつつある。日本国内では、以前より市民権を得たものの、若干まだ「オタクと言うのはちょっと恥ずかしい」という自虐的なメンタリティが垣間見えるが、海外からは「OTAKU」は本当にクールな文化として認められている。あえて「クールジャパン」ではなく「オタク」と言うが、今以上に自信を持って国内外に「OTAKU」を発信していくことが、さらなる文化の深みにつながるのではないだろうか。(編集担当:久保田雄城)