政党助成金と企業団体献金の二重取りは許されない。維新の党の江田憲司代表は19日、企業団体献金の禁止を法定するための政治資金規正法改正案を今国会に提出する考えを示すとともに、これに先駆け、党として、来年から企業・団体献金の受け取りを全面禁止すると発表した。22日、大阪で開く党大会で党規約を改正し正式決定する。
維新の党は議員歳費3割カット、議員定数の3割カット、歳費の自主返納を可能にするための法案提出、文書通信交通滞在費の使途の明確化(公開)など、身を切る改革と政治改革への取り組みを相次いで進めており、企業・団体献金の全面禁止に向けた取り組みは他の政党への波及効果を期待する声もでている。
もともと、リクルート事件など政治とカネの癒着の温床となりかねない企業・団体献金を廃止するために国民一人あたり250円の負担で政党助成金制度が法定されたにもかかわらず、政治家個人への企業団体献金は禁止されたものの、政党や政党支部に認められていることから、これがいわば抜け道のようになり、事実上の2重取り状態になっている。さらに、日本経済団体連合会は安倍政権の下で、企業献金を促すような、政党助成金制度が誕生した経緯に逆行する姿勢を明らかにしている。
江田代表はこの日の会見で「経団連の献金再開といった法律が求めている約束とは逆行するような流れも顕著にでてきている」とこの流れを問題視した。
維新の党は政治資金パーティやセミナーといった飲食などで対価を伴うものは容認する考えだが、企業団体献金はきっぱり受け取らない、しがらみのないクリーンな維新をアピールしていく考えだ。
江田代表は「マスコミや国民の皆さんの後押しを得て、是非、この問題に真摯に取り組んでいきたい」と語った。(編集担当:森高龍二)