最有力はANAか スカイマーク支援に動く各社の動向

2015年02月22日 11:27

画・最有力はANAか スカイマーク支援に動く各社の動向

ANAホールディングスがスカイマークへの支援表明の方針を固めた。支援の内容としては、羽田発着便を活用した共同運航や燃料の共同購入、さらには資金面での出資も行われる可能性が高い。航空会社による支援は、内容が多岐に渡ることから、2月23日を募集期限としている。

 現在、民事再生手続きを行っている国内航空3位のスカイマーク<9204>。同社への支援募集に約20社が名乗りを上げた。航空会社を除く一般支援企業の公募は2月19日に締め切られ、旅行大手のHIS<9603>やリース大手のオリックス<8591>などが、支援表明書類の提出を行ったことを表明した。特にHISはスカイマーク設立時にも澤田秀雄会長が中心となって出資を行っており、関係が深い企業だ。今回も、スカイマークの航空券や旅行商品の販売増加など、業務面での支援を提案している。また、資金面では投資ファンドのインテグラルとの間で、すでに支援の契約が行われている。

 特に注目が集まる航空会社による支援は、内容が多岐に渡ることから、2月23日を募集期限としている。日本航空(JAL)<9201>はすでに2月18日に行われた植木義晴社長の会見で、「支援に名乗りを上げる考えはない」と発表した。JAL自身も5年前に経営破綻をしたため、現在他社のスポンサーになる立場にはない、というのが主な理由だ。ただし、以前から進められていた共同運航計画については、スカイマークから要請があれば検討するとの考えを示した。また、5年前のJALの経営再建時に出資し日本での市場を広げた米デルタ航空も、「現時点ではスカイマーク支援の計画はない」としている。

 そんな中、ANAホールディングス<9202>が支援表明の方針を固めた。支援の内容としては、羽田発着便を活用した共同運航や燃料の共同購入、さらには資金面での出資も行われる可能性が高い。ANAが支援を正式表明すれば、ANAとJALに対する第三勢力としてのスカイマークの存在意義は薄れ、航空業界全体のバランスにも大きく影響するだろう。

 スカイマークの経営再建に向け大きな問題となっているのが、欧州エアバスとの間にある最大7億ドル(約830億円)の違約金問題だ。エアバスに航空機を発注しているANAが後ろ盾になれば、違約金問題も前進する道筋が見えてくる。スカイマークは、23日の支援企業募集締め切り後、2月中にも支援企業を決定し契約を進めていく見通しだ。(編集担当:久保田雄城)