スカイマーク 民事再生法適用で復活なるか

2015年01月31日 11:49

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格安運賃を売りにしてきた航空会社・スカイマークは東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理された。経営再建を目指し、今後も運航を続けていく方針だが、厳しい経営状況は果たして改善していけるのだろうか。

 格安運賃を売りにしてきた航空会社・スカイマーク<9204>は東京地裁に民事再生法の適用を申請し、受理された。経営再建を目指し、今後も運航を続けていく方針だが、厳しい経営状況は果たして改善していけるのだろうか。負債総額は約710億円だが、大型旅客機の購入で交渉にトラブルが生じた欧州の航空機会社、エアバスから、違約金約830億円を求められており、負債総額は今後膨らむ可能性が高い。

 スカイマークは1996年に旅行会社大手のエイチ・アイ・エス<9603>から出資を受けて設立。98年7月に国から事業免許を取得して運航を開始した。それまで大手の独占状態で割高感があった航空運賃だが、スカイマークは安さを武器に顧客を獲得。国内航空会社第3位まで急成長したものの、大手航空会社も値下げして対抗するなど価格競争にさらされ、いつしか赤字に転落。さらに格安航空会社(LCC)の相次ぐ参入により、「安さ」で確保していた客が他社に分散してしまうなどして利用客減が加速してしまった。直近では2014年の12月の繁忙期でさえも座席利用率が50%前後という燦々たるありさまだった。

 さらに、そこに加わった急激な円安が致命傷となったようだ。競合他社の新規参入により経営状況が悪化している中、円安による燃料費の負担の増大と、ドル建てしていたエアバスA330型機など合計10機のリース料が跳ね上がり、大打撃を与えた。14年3月期の当期純損失は18億4,500万円、15年3月期の第2四半期においては当期純損失が57億4,400万円にも膨らみ、内部からは自転車操業の状態だったという声も。コスト削減を目的に、採算が合わない路線は運休や運航数を減らすなどしてきたが、事態は好転することはなかった。かつて航空業界の新世界を切り開いた格安航空会社の代表格は、はかなくも地に落ちた。果たして再び飛翔できる日はくるのだろうか。(編集担当:久保田雄城)