【今週の振返り】テクニカルの「信号無視」で465円上昇した週

2015年02月28日 20:13

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こんなこと、いつまでも長くは続かない。と思っても、ブッ飛ばして新高値追い。どうしたんだ東京市場。いい加減、おととし5月23日のこと考えたほうがいい。

 23日の日経平均は4日続伸。ユーロ圏財務相会合でギリシャ支援の4ヵ月延長が決まり20日のNYダウは上げ一方の154ドル高で史上最高値を更新し、CME先物清算値は18525円。為替のドル円レートは前週末から円安方向の119円台前半で、日経平均は前週末比で167円も高い18499円で始まる。直後に2000年5月2日以来14年8ヵ月ぶりに18500円を突破し午前9時10分に18509円まで上昇するが、前場は18500円が心理的な抵抗線になって、何度もタッチしながらも押し戻される小動きをひたすら繰り返す単調な展開。前引けは18481円でTOPIXは前場安値引けし後場波乱の予感。後場は前引けと同水準で再開するが午後0時台はズルズルと下落し、日経平均は0時58分に18422円まで下げ、メガバンクなど金融株が息切れしてTOPIXはマイナスになり1500を割り込む。JPX日経400もマイナス。TOPIX主導でついにやってきた「調整局面」で、1時台後半にドル円が119円を割り込むと1時55分に18402円の安値をつけた。2時台は少し値を戻し、終盤には18450円を超えてTOPIXもプラスに転じ、結局、大引けでは日経平均も、6営業日続伸のTOPIXも、11営業日続伸のJPX日経400も全てプラスで終えた。

 新規IPOは1件。ゲーム関連のシリコンスタジオ<3907>が東証マザーズに新規上場した。後場、公開価格4900円に対し2倍を超える9900円の初値がつき、新規IPOは年明け6連勝。今後、3月17日まで3週間の空白がある。

 日経平均終値は134.62円高の18466.92円、TOPIX終値は+2.50の1502.83。売買高は24億株、売買代金は2兆5294億円。値上がり銘柄数816よりも値下がり銘柄数923のほうが優勢だった。業種別では陸運、水産・農林、空運、ガラス・土石、精密機器、鉄鋼など23のセクターがプラス。保険、その他金融、銀行など9のセクターがマイナス。海運はプラスマイナスゼロだった。

 24日の日経平均は大幅高で5日続伸。原油先物価格の一段安、経済指標の弱さにイエレンFRB議長の議会証言待ちもありNYダウは23ドル安。しかしアップルのヨーロッパ投資計画が好感されNASDAQは9連騰。日経平均は1.47円高で始まるが15秒後から「寄り天(寄り高)」で小幅マイナスになり、TOPIXはマイナスで始まりこれも寄り天で1500割れ。さすがに過熱感で一服して調整しこのまま安く推移するかと思いきや、日経平均は午前9時台後半にはプラスに浮上し10時までに再びマイナスに戻る乱高下。それでも10時台以後は18480円付近の小幅プラス圏に定着し、前引けは18490円で15000円台復帰をうかがう。もっともTOPIXは一度もプラスに浮上できず先物主導の前場だった。昼休みに円安が進行してドル円は119円台に定着し、後場は先物主導で日経平均は18500円台に、TOPIXはプラスに転じて1500台に乗せて再開する。順調に値を切り上げ午後1時台に18500円台後半に達し、その水準を後場ずっと維持する。前場はくすぶっていたTOPIXも1508まで上昇。終盤、大引けではさらにひと伸びして日経平均は終値ベースで2000年4月20日以来の15600円台をクリアし、TOPIX、JPX日経400とともに高値引け。TOPIXは7日続伸し、JPX日経400は12日続伸した。

 日経平均終値は136.56円高の18603.48円、TOPIX終値は+5.45の1508.28。売買高は23億株、売買代金は2兆4553億円。値上がり銘柄数は1051、値下がり銘柄数は683。上昇セクターはガラス・土石、鉄鋼、情報・通信、石油・石炭、非鉄金属、金属製品、医薬品など22業種、下落セクターは鉱業、ゴム、倉庫、パルプ・紙、食料品、銀行など10業種だった。

 25日の日経平均は6日ぶりの小幅反落。EUがギリシャの財政構造改革案を承認し、イエレンFRB議長の上院での議会証言は利上げに慎重でNYダウは92ドル高。ドルが弱含んでドル円は118円台。日経平均は32円高で始まり、すぐにマイナス圏に沈み午前9時19分に18563円まで下げるが、9時台のうちにプラスに戻して18630円近辺まで上がるという乱高下の序盤。その後もマイナスにタッチしたかと思えば18648円まで上昇するなど不安定だったが、プラス圏内のもみあいの振幅がだんだん小さくなり前引けは18628円。後場は少し高寄りするが午後1時台はプラス圏を守りきれず、2時台は一瞬プラスにタッチした以外はずっとマイナスで推移。小売業や外食産業が多い2月期決算銘柄の配当権利落ち日で、2月後半の「春一番」のような過熱相場もいよいよ年貢の納め時が来たかのように終盤はズルズル下げ、2時56分に18552円まで下落。それでも大引け前に買いが入り18円の小幅安まで戻した。TOPIXは僅差マイナスで8日ぶり下落、JPX日経400は13日ぶりの下落で区切りがついたが、日経平均先物はプラスで引けてしぶとかった。

 日経平均終値は18.28円安の18585.20円、TOPIX終値は-0.66の1507.62。売買高は22億株、売買代金は2兆4396億円。値上がり銘柄数は888、値下がり銘柄数は825。鉱業、パルプ・紙、石油・石炭、水産・農林、食料品、銀行など18のセクターが上昇し、空運、陸運、ガラス・土石、ゴム製品、繊維、鉄鋼など15のセクターが下落した。

 26日の日経平均は大幅反発。イエレンFRB議長の下院での議会証言は波乱なく終了。新築住宅販売が市場予測を上回りNYダウは史上最高値を更新したが、終値は15ドル高どまりでNASDAQ、S&P500はマイナス。日経平均はわずか2円高、TOPIXはマイナスで始まるが、為替のドル円が東京時間に入ると119円台に乗って円安が進行したので前場は先物主導で上昇し、午前9時台のうちに18690円を突破した。10時3分に18694円の高値をつけるが18700円はタッチできず、その後は上値を抑えられて18660円近辺でもみあう。それでも前場終了間際に上昇し、前引けは18688円だった。

 昼休みに為替が円高方向に反転し119円を割り込んでも後場は18717円と2000年4月20日以来約14年10ヵ月ぶりに18700円を突破し高寄りで再開。国家公務員共済組合連合会(KKR)が国内株式運用比率を8%から25%に引き上げるという記事に誘われて証券、メガバンクに買いが入り午後0時47分に18761円まで上昇する。「こんなこと、いつまでも長くは続かない」と思っても後場は18750円前後の水準で安定し、何回も高値を取る。終盤の2時57分に18790円をつけ、18800円まであと10円に迫って200円高、昨年来高値更新で終了。TOPIX、JPX日経400とも高値引けで大幅上昇した。「春一番」の上昇相場は1日休んだだけ。さらに日経平均先物は18800円に到達し11日続伸で日中取引終了。それでも上には上がありTOPIX先物は14日続伸。波乱が起きやすいという日足一目均衡表の「雲のねじれ」を通過中でも、26日終値時点で騰落レシオは141.42、25日移動平均乖離率は4.98%という、テクニカル指標の「買われすぎ信号」が無視された暴走気味の東京市場だった。