【今週の振返り】「春のめざめ」で418円上昇し18000円台定着

2015年02月21日 20:14

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企業決算、SQ、日銀会合を通過して、主力銘柄が幅広く買われ、潮目が変わる。これで外部要因のストレスに強くなれば、春の上昇期待は本物に。

 16日の日経平均は反発。前週末13日のNYダウは46ドル高でS&P500は史上最高値を更新した。CME先物清算値は18055円だったが、日経平均始値は大台に乗せても18024円で、ザラ場ベースの昨年来高値の18030円を更新できないまま大台を割り込み17978円まで下落する。取引時間前発表の10~12月期GDPが年率換算+2.2%で、3四半期ぶりにプラスに浮上しても市場予測の+3.8%に及ばなかったのが影響した模様。それでもV字回復して午前9時13分には昨年来高値をあっさり更新し、経済指標がやや期待はずれでも、日本の長期金利上昇を受けて少し円高のドル円118円台が続いても、メガバンクを筆頭に相場の地合いはなかなか強い。その後は18100円には届かなくても大台はしっかり維持して前引けとなった。しかし後場は夜のユーロ圏財務相会合や翌日の日銀会合を控えて上げ幅を圧縮。午後1時前後には18000円をしばらく下回った他、高くても18030円前後にとどまり、何度も大台割れを起こして前場よりも軟調。終盤にも大台を割るが、大引けではかろうじて18000円台に乗せた。終値では第一次安倍内閣当時の2007年7月24日以来7年7ヵ月ぶり。

 日経平均終値は91.41円高の18004.77円、TOPIX終値は+10.05の1459.43。売買高は24億株、売買代金は2兆4327億円。値上がり銘柄数は1188、値下がり銘柄数は563。値上がり業種は銀行、鉱業、保険、卸売、証券、非鉄金属、その他金融など24業種。値下がり業種はその他製品、医薬品、繊維、水産・農林、食料品など9業種だった。

 17日の日経平均は小幅反落。週明け16日のNY市場は「プレジデンツ・デー(大統領の日)」で休場。ユーロ圏財務相会合はギリシャ政府が2月末期限の金融支援の延長提案を拒否して仕切り直しになりヨーロッパ市場は軒並み安、ユーロは下落後に乱高下。ドルも安くなり朝方のドル円は118円台前半に。取引開始前に三陸沖震源の最大震度4の地震が起き津波注意報が発令されたこともあり18000円割れの17949円で始まる。TOPIXもマイナス。午前9時台は一時17901円まで下げるが17900円台前半を維持。10時台には下げ幅を圧縮して17900円台後半、TOPIXは一時プラスと底堅い。津波は最大20センチどまり。11時7分に17982円まで上昇し前引けは17961円。TOPIXはプラスだった。

 後場は前場の地合いを引き継ぎ最近好調のTOPIXはプラスを維持。日経平均も17998円の高値をつけて18000円に接近する。年明けから国債入札の不調が相次ぐ中、20年債の入札は波乱なく終了し債券高、金利安、円安の連鎖反応で午後0時46分に18000円タッチ。ところがそれから18000円がレジスタンスラインの闘士と化し、あと1円に迫りながら全くプラスに浮上できず、1時台には押し返され18000円にも届きそうで届かなくなる。東北で再び震度5の地震が発生するが津波はなし。2時20分頃にようやくプラスにタッチするが一時的で、2時台後半は抵抗のしつこさに息切れしたように下落し、18000円近くまで戻してはまた下げるというアップダウンを演じてマイナスで幕切れ。しかしTOPIXは続伸しJPX日経400は7連騰した。

 日経平均終値は17.68円安の17987.09円、TOPIX終値は+2.64の1462.07。売買高は23億株、売買代金は2兆2494億円。値下がり銘柄数620よりも値上がり銘柄数1111のほうが多い。プラスセクターは20業種で、鉄鋼、建設、水産・農林、陸運、その他製品、空運、卸売など。マイナスセクターは12業種で、鉱業、パルプ・紙、その他金融、銀行、情報・通信など。精密機器はプラスでもマイナスでもなかった。

 18日の日経平均は大幅反発。3連休明けのNYダウは28ドルの小幅高だったが、ギリシャ政府の態度が軟化して為替のドル円が119円台に乗ったのを好感されて始値は一気に18103円まで上昇。トヨタ<7203>が昨年来高値を更新するなど主力銘柄が全面高で、前場は序盤の数分間以外は18100円台を維持。10時台後半からは18100円台後半に上昇して前引けは18158円だった。

 昼休みに日銀の金融政策決定会合の結果が発表され、金融政策は現状維持。輸出、生産の判断を上方修正したが個人消費の回復についてはやや慎重な見方に修正した。為替への影響は限定的。後場の日経平均は高値を取って再開するが18200円には届かず、午後2時台前半まで前場と変わらぬ水準で推移する。2時に政府観光庁が1月の訪日外国人数を発表し前年同月比29.1%増の121万8000人。訪日ビザ発行条件の緩和も手伝って1月としては過去最高だった。折しもこの日から中国本土は1週間の「春節(旧正月)休暇」に入り、訪日外国人のインバウンド消費が盛り上がりそうな時期。18日から外貨でレジの支払いができるようにしたドン・キホーテHD<7532>は大幅高で、JR東日本<9020>、JR東海<9022>は昨年来高値を更新した。日経平均は2時41分に18200円にタッチし18202円まで上昇。終盤も18200円に接したが、大引けでは惜しくも83銭及ばなかった。

 新規IPOは東証マザーズで2件。ファーストブラザーズ<3454>は公開価格2040円に対し初値は2090円で「辛勝」だったが、ファーストロジック<6037>は公開価格1770円に対し初値は2700円で「快勝」。今年の新規IPOはまだ初値の「黒星」がない。

 日経平均終値は212.08円高の18199.17円、TOPIX終値は+20.60の1482.67。売買高は27億株、売買代金は2兆8050億円。値上がり銘柄数は1319、値下がり銘柄数は426。銀行、精密機器、証券、ガラス・土石、電気機器、陸運、ゴム製品など29業種が上昇し、石油・石炭、電気・ガス、鉱業、倉庫の4業種が下落した。