政治とカネをめぐる問題で、民主党の岡田克也代表が代表を務める政党支部が国の補助金を受けた企業の持ち株会社から献金を受けていたことについて、高木義明国対委員長は3日の記者会見で「献金した『株式会社日清製粉グループ本社』と補助金交付決定を受けた『日清製粉株式会社』という2つの法人格を混同している」とし「政治資金規正法第22条の3第1項にいう『性質上利益を伴う補助金』に当たらないため、寄付禁止の規定は適用されない」と説明。「何ら問題ない」と強調した。株式会社日清製粉グループ本社も「補助金を受けた会社とは別会社であり、事業は非営利なものなので違法性はない」としている。
一方で、高木国対委員長は安倍晋三総理が代表を務める政党支部が国の補助金を受けた企業から献金を受けていたことについては「2007年に国会で指摘を受けている事項であり、知らなかったという話ではない」と岡田代表のケースと違うなどとした。
枝野幸男幹事長は「岡田代表の件については問題がない」としたうえで「われわれは国民の政治不信を招かないようにという観点から疑念のある大臣をただし、制度改正を提起してきた。ただ(政府自民党は)『何が悪いのだ』という態度だった。国民の皆さんに疑義を持たれる献金が行われないようにすることこそ必要で、献金を渡した企業が違法であることははっきりしているのだから、それを止めることが解決策」と献金した企業、団体への罰則強化と国からの補助金交付通知から1年以内は献金できないことの周知を献金側に徹底すべきとの考えを示した。
安倍総理は、指摘の企業(宇部興産)から献金を受けていることは事実と認めたうえで(この企業が)国から補助金を受けているという事は知らなかったとしている。また宇部興産は「国から交付を受けているエネルギー使用合理化先進的技術開発費補助金(革新的セメント製造プロセス基盤技術開発)は地球温暖化対策(セメント製造工程で発生するCO2の削減)を目的とするセメント大手4社による共同研究開発に対するもので、政治資金規正法の『例外規定』の『試験研究』に該当すると判断しており、当社の政治献金に法的問題はないと考えている」とこちらも問題はないとのコメントを発表した。(編集担当:森高龍二)