ふるさと納税。「1000万円の寄付で750万円相当の土地200平方メートルをプレゼント」。国会議場から「ほおーっ」と驚きとも感嘆とも取れる声。「ふるさと納税」の返礼品が自治体によって過剰になり、本来の税の趣旨がないがしろになる危険もあるのではと6日の衆議院予算員会で過剰な返礼品問題が指摘され、高市早苗総務大臣も「高額な返礼品に引かれて納税していることもまぎれもない事実」と過剰競争になっている状況を認めた。
高市総務大臣は「ふるさと納税の趣旨を逸脱するような高額な返礼品や換金性の高いものは問題」とし、「今後、大臣として本来の趣旨にそった範囲にとどめるよう、節度ある対応をするよう要請する」と答弁した。
民主党の小川淳也議員の質問に答えた。小川議員は「地方への財源移譲、特産品のPR・販売促進で一定の成果を上げていることは認めるし、応援したい」とふるさと納税制度の成果を評価した。
そのうえで、ふるさと納税を魅力のあるものにして納税者を増やそうとするあまり、「200万円の寄付で65万円のカバンをあげます」「300万円の寄付で130万円のコートをあげます」「100万円の寄付で38万円相当のシルク布団4点セット」や「300万円の寄付で200万円相当の牛1頭」といった過剰なプレゼント合戦があると指摘した。
小川議員は「1000万円の寄付で750万円相当の宅地(土地200平方メートル)をプレゼントには、さすがに、控えるよう総務省が事実上の行政指導をしたので(自治体が実施を)踏みとどまったようだが、もともと住民税なので、住んでいる地域の学校や病院、ごみ処理などのさまざまな経費をみんなで分かち合う、その納税の対価としていかなる特定の利益も受けることはないというのが税の基本だ」として、「過剰なプレゼント合戦により、税の本来の趣旨がないがしろにされかねない」と過剰競争に問題を提起した。(編集担当:森高龍二)