安倍晋三総理は9日夜の日独共同記者会見でアンゲラ・メルケル・ドイツ首相について「総理就任以来、地球儀を俯瞰する外交を掲げ、これまで54の国と地域を訪問してきたことを(自身として)自負しているが、さすがに世界を股にかけるアンゲラには脱帽している」と親しみを込めて、ウクライナ問題など世界の課題に精力的外交を展開するメルケル首相に敬意を表した。
また安倍総理は「ドイツは今年、G7議長国を務められ、来年、日本はそれを引き継ぐ」とし「日独両国は自由、民主主義、人権、法の支配といった基本的価値を共有している。両国は戦後、国際的協調主義に立脚しつつ、一貫して平和国家としての道を歩み、国際社会で平和と繁栄を享受し、自ら力強く貢献してきた」とした。
また安倍総理は日独首脳会談で「日独両国は責任あるグローバルパートナーとしてアジア、欧州のみならず、国際社会が抱える様々な課題に対処するうえで重要な役割を担っている。今回の首脳会談ではこうした国際社会の様々な課題に連携して取り組み、世界の平和と繁栄に貢献していくことを確認したことは大きな成果だ」と語った。
安倍総理は特に「ウクライナ問題に深くかかわっているメルケル首相から率直な意見を聞けたことは非常に有意義だった。この問題の平和的解決に向けて尽力していることを高く評価している」と語るとともに「国際社会での一方的な力による現状変更の試みは許されず、国際秩序や法の支配が尊重されなければならない」と、アジアでの安保情勢の変化も絡めて語った。(編集担当:森高龍二)