停戦合意したウクライナ東部で戦闘が再発、状況悪化を懸念

2014年09月14日 10:05

画・停戦合意したウクライナ東部て_戦闘か_再発、状況悪化を懸念

この戦闘が発生する数時間前には、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が電話会談を行っており、その中で、ウクライナ東部での停戦は「おおむね守られている」と

 ウクライナ東部地域で6日夜から7日にかけ、2都市の周辺地域において散発的な戦闘が発生し、犠牲者が発生した模様だ。緊張状態が続くウクライナでは、同国政府軍と親ロシア派武装勢力の間で停戦合意が結ばれたばかりであり、その発効から48時間もたたないうちに発生した今回の戦闘は、平和を望む人々に失望を与えている。

 この戦闘が発生する数時間前には、ウクライナのペトロ・ポロシェンコ大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領が電話会談を行っており、その中で、ウクライナ東部での停戦は「おおむね守られている」との認識を確認したばかりだった。

 ウクライナ東部に位置する港湾都市マリウポリ市の当局からの情報によると政府軍が設けている検問所に対し、親ロシア派武装勢力派からの砲撃があり、女性1人が死亡したとのこと。周辺住民の間では、突然の停戦の破綻に対してパニックが広がっている。親ロシア派武装勢力にとって、マリウポリ市周辺地域は、ロシアが3月に併合したクリミア半島とロシア間の陸上補給路を確保できる位置にあるため、同市周辺地域を重要目標として奪取を狙っている可能性がある。また別の情報として、新露派武装勢力の主要拠点であるドネツク市近郊でも砲撃が行われたという報告がある。ウクライナ政府は、親ロシア派武装勢力が同市に存在する空港を攻撃対象にしているとして非難した。

 今回の戦闘の発生に先立ち、ウクライナ軍と親ロシア派武装勢力の双方は5日に合意された停戦文書署名後の数時間において、相手側に違反行為があったとして非難し合っていた。今回の停戦合意が短時間で破綻するという結末に終わると、ウクライナ政府が6月に宣言して、その後わずか数日で崩壊した「停戦」と同じ様に、束の間の儚い平和に終わってしまう結果になる。ウクライナ問題のすう勢には、未だ暗雲が立ちこめているかのようだ。(編集担当:久保田雄城)