ベースアップが好循環2巡目の原動力になる

2015年03月19日 08:43

 今春闘。業界の牽引役でもあるトヨタ自動車が月額4000円のベースアップを回答するなど、前年を上回る回答が目立った。連合の神津里季生事務局長は18日、「本日18時現在、中核組合を中心に94組合で回答を引き出した。水準は昨年を上回る状況」と一定の評価をした。

 神津事務局長は「要求金額からすれば充分と言えないものの、春季生活闘争の意義・目的を果たしうる内容と受け止めている」とコメント。

 そして「すべての働く者の賃金引き上げに確実に波及させるために全力を尽くす」とし「正規・非正規、組織・未組織にかかわらず、企業規模の大小にかかわらず、月例賃金の引き上げが不可欠であることを広く社会に繰り返し訴えていく」とした。

 一方、経営側の日本経済団体連合会・榊原定征会長は「多くの企業で月例賃金について過去最高額となるベースアップが相次ぐなど、昨年実績を大きく上回る回答となったこと、賞与・一時金についても昨年以上や要求通りの満額回答となったことを歓迎したい」とコメント。

 榊原会長は「回答結果は収益の拡大を従業員へ適切に還元してわが国経済に貢献するとの企業の姿勢を明確に表したもので、好循環の2巡目を力強く回す原動力となると確信する」とした。(編集担当:森高龍二)