野田佳彦前総理は安倍政権の経済政策「最大の問題は成長の果実をいかに分配するかという視点の欠落」と問題提起した。
野田前総理は「世界の先進国が格差拡大という困難な課題に直面しているが、日本の場合も深刻」との認識を示し「給与所得者の内、年収200万円以下の人は1120万人。全体の4分の1を占めている」と実態を指摘。
「相対的貧困率は近年、急上昇し、過去最高の16%に達している。特に深刻なのは子どもの貧困で、ひとり親家庭の子どもの貧困率は50%に達した。不安定雇用が多い非正規労働者は増え続けて2016万人となり、雇用者全体に占める割合は38%になっている」とワーキングプアーと呼ばれる人たちを生む雇用の在り方の問題を浮き彫りにしている。
そのうえで野田前総理は「経済成長と格差是正を両立させることが急務」とし「かつて一億総中流意識の時代を築いたことがある日本だからこそ、先進国の中でも格差の小さい国を創り上げられると確信している。そのためには豊かさはしたたり落ちるとする上から目線の自民党政治に対抗し、中間層がこぼれ落ちないようにするボトムアップ型の民主党が奮起しなければならない」と立ち位置をアピールし、党員に奮起を促した。(編集担当:森高龍二)