コンビニエンスストアチェーンのミニストップ<9946>は20日、資本・業務提携を行っている中堅コンビニエンスストアチェーンのココストアとの提携を解消するとの発表を行った。ココストアについては、現在ファミリーマートが買収交渉に入っており、もし交渉が成立しココストアがファミリーマートの傘下に入ることとなれば、同社と提携関係を維持させ続けるメリットは薄いとの判断から、今回の資本・業務提携解消を決定した模様だ。ただしミニストップは今回の解消について、「2012年8月より業務提携を通じて協業を推進し、お客さまの多様なニーズに適した事業展開を目指してまいりました。しかしながら、両社で協議の結果、当初の一定の目的を果たしたと判断」したことを解消の理由としている。
ミニストップは12年8月にココストアと資本・業務提携を開始。同社はココストアの2つの地域子会社に対してそれぞれ約10%の出資を行っており、これまでプライベートブランド(PB)商品の開発や弁当の開発などを共同で行ってきた。ココストア側もミニストップの株式を保有していることから、今年の夏までにそれぞれがお互いの株式を買い戻すものとみられている。また今回の資本・業務提携解消により、「ココストアウエスト」「ココストアイースト」との提携も解消される。
現在、コンビニエンス業界においてココストアなどの中堅チェーンは、大手の出店ラッシュに押されて単独での事業運営に行き詰まり感を覚えている。そうしたなか、ココストアは生き残りをかけて今月からファミリーマートとの買収交渉に入っている。ファミリーマートはファミリーマートで、業界第1位のセブンイレブンに追いつくために、ココストアの全株式の取得を目指している。
ココストアのグループ合計の13年度の店舗売上高は900億円程度で、「ココストア」「エブリワン」の店名で東海地方や九州地方などに約660店舗を運営している。ソニー<6758>の創業者、故・盛田昭夫氏の一族が経営する盛田エンタプライズが親会社となっている。(編集担当:滝川幸平)