ここのところ苦しい状態が続いているコンビニエンスストアに、かすかな希望の光が差し始めた。20日、日本フランチャイズチェーン協会が発表した主要コンビニエンスストア10社の1月の全国売上高は、既存店ベースで前年同月比0.7%ダウンの7124億円であった。これで全国売上高が前年実績を下回るのは、消費税が増税された2014年4月より10ヶ月連続のこととなる。しかしマイナス幅は12月より0.5ポイント減り、わずかではあるものの回復の傾向がみられた。
全店ベースの全国売上高は、新設店舗の拡大により前年同月比3.9%アップ。しかし既存店ベースでは、天候不順により来店客数が減少したことや、タバコや雑誌の販売が引き続き不調であったことなどが影響して10ヶ月連続でのマイナスとなった。
来店客数は既存店ベースで前年同月比1.6%ダウンの11億6000万人で、これで11ヶ月連続でのマイナス。全店ベースでは前年同月比3.1%アップの12億6000万人で46ヶ月連続でのプラスとなった。そして平均客単価は既存店ベースで前年同月比1.0%アップの613円で、コンビニエンスストアの店頭で販売される淹れたてコーヒーが引き続き好調に推移したことや、惣菜を中心としたプライベートブランド(PB)商品も順調に推移したことなどが寄与して、4ヶ月連続でのプラスとなった。
しかしその一方で、14年4月の消費税増税以来ずっと苦戦を強いられているたばこの販売については復調の兆しがまだなお復調の兆しが見えない状態だ。たばこの販売はコンビニエンスストアの売上高の約25%程度を占めており、コンビニエンスストアの売り上げ全体が持ち直すには、このたばこの販売の回復が必要不可欠だ。この部分が持ち直しを見せ始めれば、ほかの部分に復調傾向がみられるだけに、プラスに転じる可能性もある。
日本フランチャイズチェーン協会も「既存店売上高は前年を下回っているものの、たばこの売上高減少分を勘案すると前年よりプラスとなる」と、たばこ以外の部分では回復傾向がみられるとの見方を示している。(編集担当:滝川幸平)