トヨタブランドのサイオン「iA」、なんと中身はマツダ「デミオ」

2015年04月14日 09:47

 トヨタ自動車<7203>はニューヨークモーターショー15においてサイオン「iA」を初公開した。

 “サイオン”とは北米トヨタの若年層をターゲットとするブランド。日本でいうと“ネッツ”のような存在だ。若者が興味をもちそうなコンパクトさやスポーツさ、個性という部分に力を入れている。

 そんな中、今回登場したiA、なんと中身はマツダ<7261>のデミオのセダンタイプがベースだ。デミオのセダンは日本では販売されていないが東南アジアでは長年販売されていて、現行型は14年に登場している。

 東南アジアではコンパクトセダンが人気でマツダに限らず様々なメーカーが日本では未発売のモデルを販売している。もちろんトヨタも「ヤリス」だったり「ヴィオス」といった「ヴィッツ」と兄弟車になるコンパクトセダンを販売している。それなら北米でもヤリスやヴィオスのセダンを売ればいいのにと思うのだが・・今回の話は2012年に遡る。

 トヨタは2012年に「Mazda2(デミオの外国名)」をベースとしたトヨタブランドの小型車を年間5万台程度販売したいので能力増強分の設備投資および開発費用について応分を拠出する。とマツダと合意していた。

 そういった経緯でiAはマツダ製となり、メキシコ工場でMazda2やMazda3と共に生産されることになった。

 マツダのOEM(納入先商標による受託製造)というと「AZ-1」をスズキ<7269>に出したり、「ボンゴ」を日産<7201>や三菱<7211>に出したり、現在も「プレマシー」を日産に出している。そして近い将来には新型「ロードスター」をフィアットに出すと言われている。

 マツダはトヨタやフィアットと比べると売上高で0が1個違うくらい規模が違う。“車離れ”が叫ばれる昨今、マツダだけで売上高を増やしたり維持していくのも難しいのだろう。

 この10年というか21世紀に入ってからか、自動車業界はOEMや共同開発が盛んに行われている。OEMには、製造側には生産台数の増加によるコスト削減、開発費用の回収の早さ等のメリットがあり、販売側には開発費の削減、販売車種が増えることでの販路拡大がメリットになる。

 車を買う多くの人にとっては価格やサービス、燃費等が良ければどこ製かなんてあまり興味ない話かもしれない。とくにコンパクトカーは“クルマ”というより“日常の足”という印象が強い。どの企業も総合的に良いクルマが作れるようになった今、それぞれがそれぞれの不得意分野をカバーしあって業界を持続させていこうと考えているのだろうと感じた。(編集担当:久保田雄城)