“生活の足”にハイブリッド必要なし。新開発低燃費エンジンを載せた新型カローラ

2015年04月05日 15:09

Carolla Aerotourer

新開発エンジン「2NR-FKE」を搭載した1.5リッター2WD・CVT車は、「平成32年度燃費基準」を達成、「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」の認定取得とあわせて「エコカー減税」の対象車。写真はフィールダー「1.5Gエアロツアラー2WD、価格192.24万円

 トヨタ自動車は3月30日、「カローラ・アクシオ」「カローラ・フィールダー」をマイナーチェンジし、新型を発表した。

 今回の改良では、4ドアセダンのアクシオは「モダン」をテーマに、ステーションワゴンのフィールダーは「スポーティ」をテーマに内外装を刷新。加えてフィールダーにはこれまで特別仕様車であった「W×B」を新たにグレード設定した。エンジンは、高熱効率により低燃費性能を追求した新開発の1.5リッターエンジンを採用。そのほか、1.3/1.8リッターエンジン搭載車とハイブリッド車もラインアップする。

 改良新型のカローラシリーズは、1.5リッターガソリン車のエンジンを新開発「2NR-FKE」に切り替え燃費向上を図った。ベーシックな1.5リッターガソリンエンジンを一新した理由は、販売店に寄せられているユーザーの声の多くが、「それほど距離を乗るわけではないので、ハイブリッド車に投資するメリットはない。むしろ“価格の安いガソリン車の燃費を良くして”ほしい」という意見が多かったからだという。とくに年配のユーザーになればなるほど遠出はしない。そうした“生活の足”としてカローラを選ぶユーザーに向けて、「ベストなエンジン」として今回の新型ガソリンエンジンを開発・搭載したというわけだ。

 新開発したエンジンは、ハイブリッド技術で培ったアトキンソンサイクルエンジン採用に加えて、圧縮比を13.5まで上げることで高熱効率化図り、VVT-iE(電動連続可変バルブタイミング機構)で幅広く燃焼をコントロールすることなどにより低燃費を実現したという。

 加えて、アイドリングストップ機構を標準装備し、JC08モード燃費はアクシオで従来の21.4km/リッターから23.4km/リッター、フィールダーで21.2km/リッターから23.0km/リッターに向上した。

 ただ、カローラシリーズには昨年夏からハイブリッド車が設定され、2014年の平均月販でみるとハイブリッド車が54.7%に達している。ハイブリッド優勢ななか新型カローラには、一部グレードのトランスミッションに5速マニュアル(MT)が残された。一部のスポーツ車以外、ほぼ2ペダル化が進む国産車だが、カローラにMT設定が残された。その狙いとは。

 カローラでもMT車の需要は確かに少ない。が、地方の高齢ユーザーなどからは“カローラはMT”との声がある。カローラは幅広い世代をターゲットとしているが、比較的高齢者のユーザーが多い。そのため、その声を無視するわけにはいかないという。このMT車設定は“カローラ”だから残さなければならない。変えるところは変え、残すところは残すとした結果だという。

 5MTが設定されるのはFFの「1.5G」「1.5X」(アクシオ及びフィールダーの両方)の2グレード。このグレードのエンジンは、今回採用された新型エンジン「2NR-FKE」ではなく、従来型の「1NZ-FE」。このエンジンと5MTの組み合わせは「ヴィッツRS」のパワートレーンと同一、流用することで効率よくMT車をラインアップすることができた。

 ヴィッツRSのパワートレーンを採用することで、クルマ本来のスポーティな走りの楽しみも味わえる。タコメーターの配置やサイドブレーキもハンド式にするなど、MT車本来の操作性やエッセンスを残した。これまでのユーザーの乗り換え需要に応えるのが前提だが、新たな需要の創出にもつなげたいとも。

 また、レーダーとカメラによる安全運転支援システム「トヨタ・セーフティ・センスC」を、トヨタとして初めて採用(一部グレードについてはオプション)。自動ブレーキによる衝突回避支援や、車線逸脱の警告など安全性能を追求した。また、対向車のヘッドライトやテールライトを検知し、ライトのロー・ハイビームを自動で切り替える「オートマチックハイビーム」も装備する。

 1.5リッター新開発エンジン「2NR-FKE」を採用した2WD・CVT車は、「平成32年度燃費基準」を達成するとともに、「平成17年基準排出ガス75%低減レベル」の認定取得とあわせて「エコカー減税」の対象車となる。

 1966年にデビューしたトヨタ・カローラは、歴代のモデルが培ってきたブランドイメージを継承しながら、時代の要請に合わせて進化を続ける。製造はトヨタ自動車東日本。“東北から日本を元気に”をキーワードに伝統のカローラを生産する。(編集担当:吉田恒)