2014年4月~15年3月国内新車販売は6.9%減、その傾向とは?

2015年04月11日 14:44

Aqua

2014年4月~15年3月の国内新車販売台数で、何とか登録車がトップを死守した「トヨタ・アクア」。ただし、総合でトップ10に7車種の軽自動車がランクインした

 日本自動車販売協会連合会(自販連)と全国軽自動車協会連合会(軽自協)が発表した2014年度(2014年4月~15年3月)の国内新車販売台数(軽自動車含む)は前年度比6.9%減の529万7110台となり、4年ぶりに前年実績を割り込んだ。昨年4月に実施された消費増税による3月までの駆け込み需要、その後の反動減が長引いるためだ。排気量660cc超の登録車は同8.9%減の312万3980台と、こちらも4年ぶりに大幅減となった。

 2015年度の登録車の販売見通しについて、自販連は「消費増税の影響が長引く可能性がある」としている。が、加えて4月からエコカー減税の基準が厳しくなり、減税対象車種が減るなど実質的な増税となる。このため、「販売に響く可能性がある」との見方を示した。

 登録車の販売ランキングをみると、1月に発表した2014年暦年の傾向と大きな違いはない。販売トップはトヨタのハイブリッド車(HV)「アクア」(22万8375台/前年比87.9%)、2位はホンダ「フィット」(16万6433台/同76.7%)。今年中にモデルチェンジが行なわれる予定でモデル末期にもかかわらず、トヨタを代表するHV「プリウス」(15万4610台/同61.4%)は3位に食い込んでいる。以下、年間10万台超を販売したのは、トヨタ・ヴォクシー(11万0600台/同206.3%)、日産ノート(10万1286台/同74.9%)、トヨタ・カローラ(10万0868台/86.0%)、ホンダ・ヴェゼル(10万0478台/470.7%)の7位まで。

 一方、2014年度の軽自動車販売は前年度と比べると3.9%減と4年ぶりに前年実績を割り込んだが、前年度は過去最高を記録しており、217万3130台という実績は1967年の統計開始以来、昨年度に次ぐ過去2番目の高水準だった。消費増税や高齢化が影響し、価格と大きさの「ダウンサイジング傾向がより高まっており、意外と落ちなかった」(軽自協)。

 全新車販売台数に占める軽自動車の占有率は41%で、年度ベースで初めて4割を超えた。2015年度も「同程度の傾向が続く」(同)とみている。また、ダイハツ工業が9年連続で軽のシェア首位を死守した。暦年ベースではスズキが8年ぶりに首位を奪還したが、ダイハツが年明け後に巻き返し逆転した。

 軽自動車の新車購入時にかかる軽自動車税が、これまでの7200円から、4月から1万0800円に引き上げられたため、軽自動車の駆け込み需要が期待された。が、消費増税前の駆け込み需要が旺盛だった「昨年のような勢いはみられなかった」(軽自協)という。

 なお、軽自動車のトップ3は、ダイハツ・タント(21万4865台/前年比119.0%)、ホンダN-BOX(18万8922台/同83.6%)、日産デイズ(16万7489台/119.8%)である。暦年で全乗用車のトップに立ったタントは、年度では総合で2番目となった。また、10万台超の軽自動車は10車種。日産自動車でもっとも売れたクルマも軽自動車のデイズとなった。同じく、ホンダでいちばん売れたクルマも軽自動車のN-BOXだった。また、全乗用車販売でトップ10に7車種の軽自動車(タント、N-BOX、デイズ、ワゴンR、ムーヴ、N-WGN、ミラ)がランクインしたのも大きなニュースだ。

 以前にも報告したが、日本の自動車市場では「HVかミニバン、軽自動車しか売れない」傾向にますます拍車が掛かっているということか。ただ、SUVも人気でHVのホンダ・ヴェゼルが10万台を超えSUVでトップになった。(編集担当:吉田恒)