コンビニに介護機能を併設 新機軸を打ち出し生き残りを図るローソン 

2015年04月14日 09:52

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 ローソンとウイズネットは3日、2014年6月に締結した業務提携契約に基づき、ウイズネットがフランチャイズ(FC)オーナーとなる居宅介護支援事業所やサロンスペースなどを併設したケア(介護)拠点併設型店舗の1号店「ローソン川口末広三丁目店」(埼玉県川口市)をオープンすると発表した。

 競争が激化するコンビニ業界だが、今のところセブン&アイ・ホールディングス<3382>のセブンイレブンがトップを独走している。しかし、ファミリーマート<8028>と第4位のサークルKサンクスを運営するユニーグループ・ホールディングス<8270>が経営統合に向けた協議を介するなど、業界再編の兆候がみられる。そんな中、ローソン<2651>が介護と宅配という新機軸を打ち出してきた。

 ローソンとウイズネットは3日、2014年6月に締結した業務提携契約に基づき、ウイズネットがフランチャイズ(FC)オーナーとなる居宅介護支援事業所やサロンスペースなどを併設したケア(介護)拠点併設型店舗の1号店「ローソン川口末広三丁目店」(埼玉県川口市)をオープンすると発表した。

 この提携で、ローソンとウイズネットは、お互いの持つ専門性を生かし、シニア(アクティブシニアから介護を必要とされるシニアまで)および家族の生活や健康をサポートする機能を付帯した新たなコンビニモデルを構築するという。なお、両社は今夏を目処にケア(介護)拠点併設型店舗の2号店を埼玉県さいたま市内にオープンする予定だ。

 ケア店舗では、ケアマネジャーまたは相談員が常駐するウイズネットが運営する居宅介護支援事業所を併設する。また、元気な地域コミュニティを応援する場として、介護予防運動情報や自治体、地域のサークル・イベント情報等を提供するサロンスペースを設置する。さらに、コンビニの標準的な商品に加え、シニアの方々にお馴染みの菓子、日用品、雑誌・書籍や介護関連商品を品揃えする。

 また、ローソンとSGホールディングス(SGH)は7日、ローソン店舗を起点にした配送やサービスの拡充に関する業務提携契約を締結したと発表した。この提携に基づき、ローソンとSGHは、ローソン店舗半径500m内の小商圏配送・御用聞きサービスを展開する共同事業会社を設立し、東京都世田谷区を中心とした約20店舗で新サービス「SGローソン マチの暮らしサポート」の開始を検討する。

 「SGローソン マチの暮らしサポート」では、顧客の不在時に宅配された荷物をローソンの店頭で受け取ることができるサービスや、専任配送担当者が自宅へ直接荷物を届けるサービスのほか、ローソン店頭で販売する弁当類などの商品やネット宅配「ローソンフレッシュ」の商品を一緒に届ける御用聞きサービスを展開する。

 2015年度中に東京都内約100店舗へサービスを拡大する予定だ。また、シニア層や主婦層を宅配スタッフとして新たに採用し、人材活用に取り組むことも検討するという。共同事業会社「SGローソン株式会社」は、2015年6月14日に設立する予定で、資本金は1億円。出資比率はローソンが51%、SGホールディングスが49%である。

 介護併設と宅配という、いわば高齢化社会を見越しての戦略だが、コンビニ戦争に一石を投じることは間違いない。(編集担当:慶尾六郎)