年代が上がるにつれて節電行動をとる しかし、電気代も高くなる傾向に

2015年05月28日 07:37

みずほ情報総研は、2014年10月20日~10月23日の期間に実施した、東京電力管内の20歳以上の男女(約1,000名)を対象とした「節電に対する生活者の行動・意識に関する調査」に関し、第2弾として「シニア層(60歳以上)の節電実態」についての調査結果を発表した。

 それによると、シニア層は環境意識が高いとしばしばいわれているが、今回の調査からも、年代が高くなるにつれて節電している人の割合が増加傾向にあることが判明した。一方で、節電に取り組んでいるものの、若年層に比べてシニア層の電気代が高いことも明らかとなった。

 まず、節電行動について年代別にみると、年代が高くなるにつれ、平均よりも行動を多くしている人(14項目中11項目以上)の割合が高くなり、70代では4割近くとなった。一方で、昨夏の電気代については、年代が高くなるにつれ電気代が高くなっていた(少人数世帯を対象)。特に、1万円を超える世帯は、20~30代が3%であるのに対し、60代以上では34%となっていた。

 使用している家電の所有年数について、例えばエアコンと冷蔵庫について、10年以上の製品を利用している世帯は、20代・30代では2割程度であるが、40代以上になると、4割近くに上昇していた。特に50代以上では、15年以上前の製品が約2割程度を占めており、買い替えによる節電ポテンシャルが大きいと考えられるという。

 また、50代を過ぎると、家電製品の購入の際に子や孫に相談する機会が増え、70代では34%が子や孫に相談した経験があったという。子や孫から家電製品をプレゼントされた経験は、70代が最も多く26%。祖父母や親から家電製品の購入について相談をされた経験は、特に20代~50代が多く3割前後。祖父母や親に家電製品をプレゼントしたことがあるのは、50代が最も多く34%であったとしている。

 みずほ情報総研では、今回の調査において、シニア層は節電行動は多いが、一人当たりの電気代が高額になっていることが分かったとしている。この要因には様々考えられるが、今回はその一つとして、古い家電の利用に着目したところ、エアコンと冷蔵庫では、50代以上の約2割が15年以上の家電を利用しており、節電ポテンシャルが大きいと考えられたとしている。

 一方で、家電の買い替えについては手間も多く、シニア層は腰が重くなりがちとも考えられた。そこで今回の調査では、シニア層に身近である家族に着目し、家電購入に係わる支援についての実態を把握した。結果、50代を過ぎると、家電製品の購入について子や孫に相談する機会が増加し、70代では34%が家電製品の購入時に子や孫に相談した経験があった。

 シニア層の家電製品の買い替えを通じた節電を支援するには、家電購入について相談を受ける子どもや孫世代である支援層に対して、シニア層の電気代や家電年数の実態、及び適切な節電方法や省エネ家電について情報を提供していくことが重要ではないか、と提言している。(編集担当:慶尾六郎)