政府、今夏も数値目標を伴う節電要請を見送り

2015年05月25日 07:38

画・再生可能エネルギー買い取り中断がエコ住宅にも余波

、政府はすべての電力会社が安定供給に最低限必要とされる余力を確保できる見通しとして、今年の夏についても数値目標を伴う節電要請を見送るとした

 もうすぐ夏がやって来る。夏が近づくにつれて思い出すこと、海水浴や花火大会などのレジャーもそうだが、2011年3月11日のあの震災及び原発事故を体験した私たちにとっては、そうしたレジャーとともに「節電」も想起せざるを得ない。間もなく震災から4年目の夏を迎えようとしているが、22日、政府が今年の夏の節電対策を決定。それによれば、政府はすべての電力会社が安定供給に最低限必要とされる余力を確保できる見通しとして、今年の夏についても数値目標を伴う節電要請を見送るとした。数値目標を伴う節電要請を見送るのはこれで3年連続で、太陽光発電の供給能力が高まっていることが要因とみられる。

 政府は、今年の夏はすべての戦力会社で安定供給に最低限必要とされる電力は確保できるとして、3年連続で数値目標を見送った。これは太陽光発電の供給力が高まっている影響が大きく、今年の夏は太陽光発電による供給として原子力発電所5基に相当する510万キロワットを見込んでおり、全体の需要のうち3%を太陽光発電でまかなう考えだ。これにより、老朽化した火力発電所や水力発電所を休ませることができるという。

 しかし、発電施設での大規模なトラブルにより電力需給をひっ迫するなどの不測の事態に備える必要があるとして、沖縄を除く全国の家庭や企業に節電の協力を呼びかける。節電を促す期間は7月1日から9月30日までの平日の午前9時から午後8時までで、お盆にあたる8月13~14日は除いた。

 これは言い換えれば、「大規模なトラブルが発生しなければ、安定的に電力を供給することができる」ということだが、原子力発電への依存度が高い関西電力<9503>と九州電力<9508>については、福井県の高浜原発や鹿児島県の川内原発などが、原子力規制委員会による再稼働の前提となる安全審査が遅れており、供給力の余裕度を示す「予備率」が停電の恐れを回避するのに最低限必要とされる3%を確保できないため、設備に比較的余裕のある中部電力<9502>と中国電力<9504>から電力の融通を受けて対応するとのこと。

 今年の夏も数値目標を伴った節電は行われないが、政府も述べているように大規模なトラブルが発生した場合には電力需給がひっ迫する可能性がある。具体的な数値が示されていなくとも、各家庭、各企業、そして個々人が節電に対して強い意識を持つべきだろう。(編集担当:滝川幸平)