カラコンユーザーの約8割、購入時に「眼科受診しない」 正しいケアの周知必要

2015年06月10日 12:11

 ここ数年、瞳の色を全体的に変える「カラーコンタクトレンズ」や、目をくっきりと見せる「サークルレンズ」による目のトラブルが急増している。若い世代の女性を中心に「気軽に目を大きく見せることができ、可愛くなれる」と人気だが、誤った使い方をしている人や、問題のある商品も多い。国民生活センターが今年2月に更新したデータによると、全国から寄せられるカラーコンタクトレンズに関する相談は、2004年4月から2014年3月末までの10年間で「737件」寄せられた。特に、この直近5年間では「541件」と大幅に増えている。

 日本コンタクトレンズ学会が行った調査では、2012年7月~9月の3カ月間に、カラーコンタクトレンズによる「眼障害」が395症例あったという。中でも、角膜に傷ができて炎症を起こす「角膜浸潤」や、症状がさらに深刻化した「角膜潰瘍(かいよう)」の割合は、日本眼科医会が行った「コンタクトレンズ全体」の眼障害の調査結果よりも、発症率が高かった。カラーコンタクトレンズは、透明なコンタクトレンズに比べて酸素透過性が低い。着色された部分が、角膜や結膜を擦る可能性もある。

 カラコンやサークルレンズの入手方法が「手軽すぎる」ことも、消費者被害が増加している要因だ。国民生活センターが10~20代を対象に行なったアンケートによると、カラコンの入手・購入先は「インターネット通販」が39.2%と最多を占めた。特に10代では半数近くが「ネット通販」。クリックひとつで、簡単に「処方箋なし」で購入できるため、粗悪品を買ってしまい、そのまま使い続けているケースも多いとみられる。

 購入時に、眼科を受信する人も少ない。ボシュロム・ジャパンが今年2月、15~34歳の女性400人を対象にウェブアンケートを行なったところ、カラコンユーザーのうち、購入時に眼科を受信しているのは22.6%にとどまった。ネットで気軽に購入できるため、わざわざ病院へ足を運ぶ必要がないと考えられているのだろう。ボシュロム・ジャパンによれば、カラコンは一見、きれいに見えても、「体の外からのほこり・花粉・化粧品・カビ・細菌などの汚れ」や、体の中からも「タンパク質・脂質・カルシウムなどの分泌物に含まれる汚れ」などが付着している。汚れが酷くなるほど目を傷つけるリスクも高くなるため、「メイクは、レンズをつけた後で行うこと」、「メイク落としは、レンズを外してから行うこと」、さらに「レンズをつけたまま入浴しない」などの注意を喚起している。(編集担当:北条かや)