日本玩具協会のデータによると、震災の影響が懸念されたのにも関わらず前年比103.4%と底堅い推移を見せた2011年度の国内玩具市場。しかし、2013年3月期第2四半期累計期間の実績が、前年同期比や業績予想を下回ったタカラトミー<7867>は、収益構造の改善を図るために約150名にも上る早期希望退職者の募集を開始するなど、決して堅調とは言えない状況にある。
そのタカラトミーが、アメリカで誕生し、ヨーロッパやアジア等、世界で展開されてきた乳幼児向け知育玩具ブランド「Lamaze(ラマーズ)」シリーズを、2013年1月から日本で新たに展開すると発表した。
「Lamaze」は、1995年にトミー・インターナショナルが、米国のエール大学の乳幼児発達学の専門家からのアドバイスを得て開発したもの。その特徴は、乳幼児の発育や月齢に合わせて商品が工夫されている点にある。例えば生まれたばかりで、視覚が未発達の低月齢(生後0ヶ月~)の乳幼児を対象とした商品には、白と黒のコントラストを使い、動物などの顔を大きく描くなどしてイラストを認識しやすくし、視覚の発達を促す。また、好奇心が旺盛になってくる生後6ヶ月頃向けの商品には、思わず触りたくなるような手触りの素材を使用。素材の異なる布地を細かく使い分けるなど、感触や音の違いを楽しむことで探索行動を促すような仕掛けが盛り込まれているという。今回は第一弾として、「布の絵本 こんにちはパンダ」や、音や手触りの変化など25種もの仕掛けが入ったぬいぐるみ「ホタルの手ざわりいっぱい」など全10種類を、全国の玩具専門店、大手百貨店・量販店、 インターネット等にて発売するとのこと。
トミー・インターナショナルをグループ化したことにより、「Lamaze」シリーズのようにトミー・インターナショナルのグローバルブランドを展開することが可能となったタカラトミー。このブランドが、下降気味の業績を上向きにさせる原動力となるのか。今後の動向に注目が集まるところであろう。(編集担当:井畑学)