シャープ、インセル型液晶パネルの量産を開始

2015年06月19日 07:24

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経営再建中のシャープは17日、タッチパネルを組み込んだ「インセル」と呼ばれるスマートフォン(多機能携帯電話)向けの液晶パネルの量産を本格的に開始したとの発表を行った

 経営再建中のシャープ<6753>は17日、タッチパネルを組み込んだ「インセル」と呼ばれるスマートフォン(多機能携帯電話)向けの液晶パネルの量産を本格的に開始したとの発表を行った。この液晶パネルは、従来のものと比べて軽量化や薄型化をはかることができるという利点を持っており、これによりスマートフォンのデザイン性の向上につなげることができるとしている。

 今回、シャープが量産を本格開始したのはCGシリコン方式のインセル型パネルで、サイズは6インチ、解像度は1920×1080ピクセルとなっている。この液晶パネルを搭載したスマートフォンは2015年度中にも発売されるものとみられている。

 CGシリコン方式のインセル型パネルでは、タッチセンサ部の回線と液晶ディスプレイを駆動する回線の両方を液晶ディスプレイの中に搭載するインセル化を実現し、これにより従来のものよりも軽量化、薄型化を可能とし、スマートフォンのデザイン性を向上させることができるという。

 同液晶パネルはLTPS(低温ポリシリコン)技術を採用する三重工場で生産されるが、既存ラインを利用できるため大きな設備投資は必要ないとのこと。また今後は亀山工場での生産も検討しているという。そうして安定的な供給体制の構築をはかるとともに、画面サイズや解像度、狭額縁化など様々なユーザーニーズに対応させ、将来的にはスマートフォンだけでなくタブレットやノートパソコンにも用途を拡大させたい考えだ。現在、亀山工場で採用されているIGZO技術の優位性を活かし、タブレット端末やノートパソコンへの搭載を想定した、中型サイズの液晶タッチディスプレイを開発中とのこと。

 中国などの主要市場では、機能性の高さよりも価格の安さが重視される傾向にあるため、今後インセル型の液晶パネルの需要は伸びるものとみられている。ただしインセル型の液晶パネルについてはジャパンディスプレイ<6740>がすでに先行して商品化しており、今後シャープと同社との間で激しいシェア獲得争いが巻き起こるのではないかとみられている。(編集担当:滝川幸平)