日本電産リードが光学式外観検査装置開発・販売のカナダ現地法人設立

2012年07月04日 11:00

 日本電産リードが、「NIDEC-READ INSPECTION CANADA CORPORATION(日本電産リード・インスペクション・カナダ株式会社)」を設立すると発表。資本金は約1億円で、日本電産リードが100%出資する。

 半導体市場において、電子回路の状態を光学的に測定する外観検査装置の市場が拡大している。こうした中、日本電産リードは半導体パッケージ基板やプリント基板向けの検査装置および検査治具の開発・製造・販売を主力事業としており、特に、基板上に精密に配線された電子回路の状態を電気的に測定し品質判定する検査装置で高い技術とノウハウを蓄積している。従来、同社では光学式外観検査装置を国内外のパートナー企業と連携して販売していたものの、市場ニーズが高精度化・短納期化しており、自社技術でタイムリーに開発することの重要性が高まっていることから、今回の現地法人設立に至ったという。設立先のカナダは、先進国において経済・インフラ・産業が進んだ国の一つであり、研究開発に対する助成制度も確立されていることから、最先端の製品開発に適している。

 日本電産リードは、4月1日に日本電産トーソクより半導体ウェハーバンプ検査装置事業を取得している。半導体市場とプリント基板市場における光学式外観検査装置は、検査の要求精度や検査項目において技術的な共通点が多いことから、技術開発や製品販売におけるシナジー効果の高まりも期待できるという。

 パソコンや液晶TV等の生産調整の影響を受け、2011年度の売上高が前年比23.2%減となった日本電産リードは、2012年度の通期では前期比32.5%増とV字回復すると予想している。カナダでの現地法人は、その回復を担う一翼となることが出来るのであろうか。今後の動向に注目したい。