世界中の難民に物資を供給 どこにでも着陸可能な近未来型ハイブリッド飛行船登場

2015年07月02日 07:37

 身近には色々なハイブリッド商品がある。ハイブリッドとは「2つの要素を組み合わせて1つのものにする」という意味であり、最近になってテクノロジー分野で目にすることが多くなってきており、例えば、エンジンと電気モーターを動力源に持つハイブリッドカー。燃料に固体燃料と液体や気体の酸化剤を使用するハイブリッドロケットなどもある。

 今、アメリカの航空機・宇宙船の開発製造会社ロッキードマーティンが発表したハイブリッド飛行船『Hybrid Airship』が世界中の難民を救済することが出来ると注目を浴びている。このハイブリッド飛行船は機体のガスの浮力と飛行船の動力で飛ぶことができる。ロッキードマーティンはハイブリッドエンタープライゼス社を通じて積載量21トンの『Hybrid Airship』の販売を2018年から開始すると発表した。乗員数は19人で航続距離は約2592キロ。航行速度は約111キロ。

 ハイブリッド飛行船『Hybrid Airship』の最大の特徴はエアクッションを使った離着陸能力にある。このエアクッションは機体下部にあり、舗装されていない場所でも離着陸が可能である。また、150メートル程度の長さの土地であれば垂直離着陸も問題なく出来る。

 2011年に東日本大震災が発生した時、世界中から東北に物資が供給された。しかし、震災後の道路整備をすぐに整備出来ず、トラックなどの輸送車が物資を供給するのに遅れたしまった。ハイブリッド飛行船『Hybrid Airship』を使えば、陸での物資供給が困難でも空からの物資供給が可能だ。また世界にいる人口の2/3以上が直接舗装されていない環境に住んでいる。そんな環境に住んでいる人も救済することが可能となる。

 まだ、販売価格や運用費用などの発表はされていないが、個人単位での購入は現実的ではないようだ。購入となると国や企業などが挙げられるだろう。ハイブリッド飛行船『Hybrid Airship』の活躍によって多くの人が救われることを期待する。(編集担当:久保田雄城)