メルセデス・ベンツとレクサスのブランド戦略の違いとは

2015年07月03日 07:33

画・メルセデス・ベンツとレクサスのブランド戦略の違いとは

メルセデス・ベンツ日本は、7月22日、羽田空港第2旅客ターミナル地下1階に、新ブランド情報発信拠点「Mercedes me Tokyo HANEDA(メルセデス ミー 東京羽田)」をオープンする。

 メルセデス・ベンツ日本は、7月22日、羽田空港第2旅客ターミナル地下1階に、新ブランド情報発信拠点「Mercedes me Tokyo HANEDA(メルセデス ミー 東京羽田)」をオープンする。

 同社は2011年7月から、ブランド情報発信拠点「メルセデス・ベンツ コネクション」を開設し、新たな顧客層に対するブランドの訴求や浸透に取り組んできた。メルセデス・ベンツブランドとして世界で初めて展開する、カフェやレストランラウンジを中心とした「日本発」の施設として東京・六本木と大阪・梅田の2拠点で、オープン以来約367万人の来場を記録している。

 「Mercedes me Tokyo HANEDA」は、「メルセデス・ベンツ コネクション」のコンセプトを引き継ぎ、世界第3号店、そしてアジア第1号店として開設する。日本の玄関口、羽田空港に出店することで、メルセデスブランドをより多くの人々に親しんでもらうことを目指しているとのことだ。

 店舗周りには「ギャラリースペース」を配し、メルセデス・ベンツの最新モデルを常時展示する等、ユーザーにメルセデス・ベンツの旬な情報を提供する。「ラウンジスペース」では、デジタルデバイスを活用した双方向のブランド体験の場を提供するとともに、ファッションやライフスタイルの提案を行う「コレクションショップ」では、トラベルグッズ等の羽田空港限定商品も販売する。

 「レストラン・カフェスペース」では、eggcellent BITES(エッグセレントバイツ)、Krispy Kreme Doughnuts(クリスピー・クリーム・ドーナツ)を迎えて、羽田空港を利用するお客様の特性を踏まえた、羽田限定のメルセデスオリジナルフードやドリンクを提供する予定だ。

 「Mercedes me Tokyo HANEDA」は、ダイムラー社が2014年3月に発表し、世界的に展開を進める包括的ユーザー向けサービス「Mercedes me」の店舗だ。3年前の情報発信拠点「メルセデス・ベンツ コネクション」の開設以来、急速に同社は、ユーザーとの距離を縮めるべく、手厚いこのようなサービスを展開している。

 ところで、何かとメルセデス・ベンツと比較されるトヨタ<7203>のブランド、レクサスの場合はどうか。「メルセデス・ベンツ コネクション」に遅れること2年で、青山に「INTERSECT BY LEXUS」をオープンさせているし、今後、ドバイやニューヨークにも開設する予定である。ただし、青山の店舗の内容を見る限り「メルセデス・ベンツ コネクション」に比べると筆者にはコンテンツが貧弱に感じてしまうし、コンセプトもちょっと中途半端だ。まるで「メルセデスがやっているのだから、一応うちもやらなくては」という様な感じさえしてしまうというと、ちょっと意地悪すぎるだろうか。

 ともあれ、この数年のメルセデスのユーザーへの手厚さはまるでトヨタの様にきめ細かい。それに対して、レクサスは「INTERSECT BY LEXUS」を有するものの、手厚いというより、あえてユーザーに対して敷居を下げずにブランドを構築しているように思える。

 この両社の戦略の違い、長いスパンで見るとどちらがブランディングに有効なのか、気になるところではある。(編集担当:久保田雄城)