フジテレビが会員向けに「雑誌読み放題」サービスを提供開始したわけは?

2015年07月07日 07:15

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フジテレビは、地上波やCSで放送した番組などの動画コンテンツや、電子コミックなどをラインナップとして配信してきたエンターテイメントサービス「フジテレビオンデマンド」にて、月額コース会員向けに人気雑誌の読み放題サービスの提供を開始した。

 フジテレビ<4676>は、地上波やCSで放送した番組などの動画コンテンツや、スポーツなどの生中継、電子コミックなどをラインナップとして配信してきたエンターテイメントサービス「フジテレビオンデマンド(以下、FOD)」にて、月額コース会員向けに人気雑誌の読み放題サービスの提供を開始した。

 FODは、フジテレビ地上波の見逃し番組、ドラマ、バラエティ、アニメ、映画など様々なジャンルから15,000本以上の動画コンテンツや、音楽LIVE、F1GP、海外サッカーなどの生中継映像に加え、電子コミック約100,000冊をラインナップとして配信している。

 今回、FODが提供開始したのは、「AERA」や「週刊現代」等の週刊誌をはじめ、「週刊ゴルフダイジェスト」「F1速報」等のスポーツ誌、「女性自身」「ESSE」等の女性誌など、雑誌の電子版全30誌を、月額コース会員であれば読みたい雑誌を好きなだけ閲覧することができる、読み放題サービスである。

 普段、インターネットを介して、雑誌を読む習慣のない人にとっては、「便利なサービスが始まった」と思われるかもしれない。しかし、実は同様のサービスは、さまざま企業が既にスタートしていて目新しいものではない。有名なところでは、NTTドコモが運営する「dマガジン」これは、ドコモユーザーでなくとも利用可で料金は月額400円(税抜)で130誌以上をラインナップしている。

 また今年の4月からは、NTTぷらら電子書籍サービス「ひかりTVブック」において、定額制の雑誌読み放題サービスされている。こちらも「dマガジン」と同じく月額400円(税抜)で、「週刊東洋経済」「プレジデント」(プレジデント社)などのビジネス誌から、「BAILA」「MEN’S NON-NO」(集英社)などのファッション誌、「週刊パーゴルフ」(パーゴルフ社)などのスポーツ誌まで取りそろえる。サービス開始時の提供雑誌は約350冊だった。

 こうして見ていくと、FODの30誌というのは、特に魅力的とは言えないだろう。もちろん条件が同社の場合、既に月額コース会員に加入しているメンバー向けの、ちょっとした「おまけ」と考えれば、悪くないのかもしれないが。

 雑誌読み放題は民放初だということが一部で話題にはなっているが、テレビやラジオは、出版社や書店ではないのだから、まあそうであろう。

 筆者としては、他の企業と比べると、新鮮さでも、点数でも見劣りするサービスをあえて今導入する程、FODの台所は苦しいのでないかと推測するが、いかがだろうか。もっとも苦しい台所はフジテレビに限ったことではないようだが。(編集担当:久保田雄城)