14年度のNHKの受信料、過去最高の6493億円

2015年06月27日 15:15

画・進むテレビのネット配信 NHKの来春ネット同時配信に民放テレビ局はどう動く?

NHKが23日、2014年度の決算を発表。それによれば、事業収入は前年度比256億円アップの6871億円であり、事業支出は前年度比43億円アップの6475億円で、事業収支差金は396億円の黒字であった

 NHKが23日、2014年度の決算を発表。それによれば、事業収入は前年度比256億円アップの6871億円であり、事業支出は前年度比43億円アップの6475億円で、事業収支差金は396億円の黒字であった。また事業収入のうち、受信料収入は前年度比148億円アップの6493億円であり、過去最高を更新した。

 純利益に相当する事業収支差金は396億円の黒字。そのうち386億円を東京・渋谷区の放送センターの建て替えなどに備えて積み立てる。これにより、建設積立金は14年度末の時点で1348億円となった。

 事業収入の大半を占める受信料収入は、営業強化などの効果により受信契約数が増加。その結果、受信料収入は過去最高の前年度比148億円アップの6493億円となった。また受信料契約の総数は前年度比52万6000件アップの39262万件で、衛星契約数は前年度比83万4000件アップの1871万件で、14年度末の支払い率は76%であった。

 そのほかの収入として、インターネットの動画配信サービス「NHKオンデマンド」事業は、権利処理に関する費用を抑制するなどの効果が現れて2億円の黒字。これで2年連続の黒字となった。

 同日には、14年度の決算とともに子会社などの業績を合わせた連結決算も発表。売上高に相当する経常事業収入は前年度比100億円アップの7463億円であり、純利益に相当する事業収支差金は前年度比206億円アップの433億円であり、増収増益をはたした。

 NHKについては、報道番組における記者の「やらせ」疑惑が発覚するなど、何かと世間を騒がせている。個人的な考えでは、NHKは民放とは一味違った良質なドキュメント番組などを提供してくれる点で一定の評価をしているのだが、しかし今回前年度を上回った受信料収入を安定させるためには、やはり受信契約数の増加が必須だろう。そして受信契約数の増加のためには、視聴者の「信頼感」と「評価」を得る必要があるのではないだろうか。前述の報道番組における「やらせ」疑惑などが持ち上がっているような状況では、いつ受信料収入の低下、受信契約数の低下を招いても不思議ではない。良質な番組作りに努めるとともに、視聴者の「信頼感」「評価」の獲得にも努めるべきだろう。(編集担当:滝川幸平)