社会民主党の又市征治幹事長は15日、自民・公明が安保法案を衆院安保特別委員会で強行採決したことに「塩崎恭久厚生労働相や石破茂地方創生担当相からも国民の理解が進んでいないという声が上がる中、与党は採決を強行した。政府案はアメリカなど他国が海外で行う軍事行動に、日本の自衛隊が協力、加担していくものであり、明らかに憲法9条に違反している」と厳しく批判。
「立憲主義や平和主義に反し憲法違反そのものである法案を不安や懸念を抱く多くの国民の声を無視し、院内多数の暴力で強行することは、二重三重に憲法を踏みにじるものであり、社民党は満腔の怒りを持って弾劾する」との談話を発表した。
又市幹事長は「戦後の平和国家の歩みを転換し、いつでもどこでも自衛隊を派兵するという法案の重大な中身からすれば、決して一国会で処理すべきものではない」とし、また「憲法と不可分の法案であるからこそ、全会派の参加による審議でなければならなかったが、最後まで社民党や生活の党の発言の機会がなかった」と、審議の在り方にも問題を提起した。
又市幹事長は「審議すればするほど問題点が浮かび上がってきている」とし(1)集団的自衛権の行使要件をめぐる答弁は曖昧(2)憲法違反との疑念は全く払拭されていない(3)邦人輸送中の米艦防護が可能となるタイミングもゆれている。
(4)「明白な危険」の判断基準も示されていない(5)任務が拡大する自衛隊員のリスクが増えるかどうかの論争(6)後方支援と武力行使との一体化論も決着していない。
(7)PKOの「駆け付け警護」や海外での邦人救出の議論も詰まっていない(8)ホルムズ海峡の機雷掃海や邦人輸送中の米艦防護などの政府の想定は机上の空論が多く、リアリティのある議論も深まっていない(9)政府統一見解、資料要求もまだ半分程度しか出ていない、などなど、列記するだけでも、与党や政府が「議論は出尽くしている」などというには程遠い状態。衆議院の野党議員が疑問解消、政府追及機会を奪われることの問題が浮き彫りになっている。(編集担当:森高龍二)