パナソニックグループ、市販市場向けエコカー専用バッテリーを発売

2012年06月29日 11:00

 パナソニックグループのパナソニックストレージバッテリーが、市販市場(アフターマーケット)向けに「アイドリングストップ車用バッテリー」「ハイブリッド車補機用バッテリー」をBlueBatteryシリーズ「caos(カオス)」ブランドとして新たに発売すると発表。業界最多のラインナップ展開で、7月より順次販売を開始する。

 環境意識の高まりと減税措置とが相俟って急速に普及している「アイドリングストップ車」や「ハイブリッド車」などのエコカー。これらのエコカーに搭載されるバッテリーは、従来のバッテリー以上の性能や耐久性、技術が要求される。

 アイドリングストップ車は、アイドリングストップ時、エアコンのファンなどの電力を全てバッテリーから供給しており、バッテリーは充電不足が続く。その為、充電不足を解消するためには短時間でより多くの充電ができる性能が必要となる。また、頻繁に行われるエンジンの「オン/オフ」の繰り返しがバッテリーに大きな負荷をかけるため、高い耐久性も必要とされる。

 さらに、ハイブリッド車は、主電源となるメインバッテリーの他に、車内機器の安定化に利用される補機バッテリーが搭載されている。補機バッテリーは、エンジンルームのスペースに余裕がない車種が多ため、トランクや室内に搭載されることが多いものである。そのため新製品は、トランク・車室内用の専用設計となっており、通常使用においては外部へのガス排出がない、補水不要の「制御弁式(VRLA)バッテリー」を採用している。

 パナソニックはエコカー用バッテリー(鉛バッテリー)の新車OEM(純正品)において高い占有率を確保しており、今回の新ブランド・新製品は新車搭載実績を活かした展開となる。一方、カーバッテリーを主幹事業の一つとするGSユアサも先月、アイドリングストップ車対応のバッテリーの新商品を発表。エコカーの市場拡大に追随するように、カーバッテリー市場でもそのシェア争いが激化しそうである。