ファイザー製薬によれば、生命に直接影響はない疾患のうち生活の質を著しく低下させる疾患のことを“QOL疾患”と呼ぶという。
男性800名を対象にQOL疾患に関連する症状について「感じている」ものの有無を尋ねた結果最も多い症状は“薄毛”(59.8%:478人)であることが分かった。他には、“自分の臭い”(50.6%:405人)、“肌の状態”(45.9%:367人)、“肥満”(45.5%:364人)が上位を占めた。ただし、「かなり気にしている」人の割合が多い上位3つは、“肥満”(26.6%)、“性機能”(23.4%)、“薄毛”(22.6%)であった。
薄毛を自覚している478人を対象に、「髪が薄くなってきた」ことについてどのようなことを気にしているかを尋ねたところ、“外見・見栄え”(66.7%:319人)が最多。ついで“女性の視線”(48.3%:231人)、“服装・ファッション”(44.0%:210人)、“異性(恋人)との交際”(38.1%:182人)と、「外見」や「異性」に関連する要素が上位を占めた。
気にする理由として最も多かった「外見・見栄え」について、年代別にみたところ、若い世代になるほど割合が多く(30代80.0%:72人/90人、40代76.4%:81人/106人、50代63.3%:81人/128人、60代55.2%:85人/154人)、薄毛による見た目の変化は若い世代になるほど気にする人が多いことが示唆される結果となった。
QOLとはクオリティオブライフの略語である。社会的にみた生活の質を意味する。今回の調査で用いられた“QOL疾患”とは、従来の疾患の概念と異なり身体的な疾患を意味しない。肉体的には健康であっても個人の生活の質を著しく低下させる症状が疾患同様にその人を苦しめるという意味が込められていると考えられる。
今回調査で挙げられた“肥満”はともかく“薄毛”や“性機能”の低下はこれまでは加齢に伴う自然な変化であると考えられてきた。今回の調査に対し、そもそも疾患として扱われるべき概念かどうか疑問を持つ人もいるかもしれない(編集担当:堺不二子)。