民主党は安保法案のリーフレットを制作した。政府の安保法案の問題点を説明するとともに、民主党として「離島防衛に万全を期すための領域警備法の制定、周辺や非戦闘地域の概念を維持したうえでの周辺事態法改正、国際貢献を一部拡大するPKO法の改正をめざす」と党の考えも示している。
まず、政府の安保法案に対しては「国民の理解が得られないまま、強行採決によって集団的自衛権の行使を容認する安全保障関連法案を強引に成立させようとしている」とし「民主党は憲法の平和主義を守る立場から政府案に反対する」とした。
自衛権については「今の日本国憲法でも個別的自衛権が認められているので、日本が攻撃を受けたときには戦い、国民を守ることが出来る」としたうえで「朝鮮半島有事が起こった場合、政府がまずやるべきことは、韓国にいる数万人の日本人を無事に日本に移動させるために、民間航空機や民間船も含めて官民が協力して総力を挙げること。海上保安庁や海上自衛隊が退避する邦人を不測の事態から守れる制度をつくることが先決」と訴えている。
また「元内閣法制局長官の阪田雅裕氏は『進んで戦争に参加することで、相手に日本攻撃の大義名分を与え、国民を危険にさらす結果しかもたらさない』との見解を示したこと」を紹介。
徴兵制についても「今回、安倍政権は集団的自衛権の行使を禁止してきた従来の憲法解釈を閣議決定で変更し、限定的行使を可能とした。そのようなことが許されるなら・・・。徴兵制も同じ。憲法は苦役を禁止しているだけで、徴兵制を禁止するとは書いていない。徴兵制が禁止されてきたのは、あくまでも政府の憲法解釈によるもの。今回と同じように憲法解釈を閣議決定で変更し徴兵制は可能である、と時々の政権によって解釈が変更される可能性も、論理的には否定できない」と政府の都合による憲法解釈の変更により、法的安定性が損なわれたために、論理的には、政府の解釈変更で徴兵制も正当化されるリスクが生まれたと指摘している。(編集担当:森高龍二)