厚木基地の警戒・救助・急患輸送など任務を強調

2015年07月31日 10:18

 中谷元防衛大臣は30日の記者会見で、神奈川県厚木市の厚木基地での自衛隊機の夜間から早朝にかけての飛行について、大臣がやむを得ないとする場合を除き、夜10時から朝6時までの間、飛行を差し止める判決が東京高裁で出たことを受け、記者団から、早朝と夜間の飛行、自衛隊の運用というのは続けていくのかと問われ「受け入れがたい内容で、今後の対応につき判決内容を慎重に検討する必要がある」とした。上訴する方針。

 中谷防衛大臣は「緊急と認められる場合を除き、禁止されるということだが、厚木基地にはP-3Cによる周辺海域の警戒監視、US-2による海難救助、急患輸送等に対して任務を実施している。国民の生命・財産を守り、国の安全を保つために必要な任務飛行、訓練飛行を行っている」と強調した。

 中谷防衛大臣は「海上自衛隊の厚木航空基地に関しては、現状においても、運用上の必要がある場合を除き、原則として夜間22時から早朝6時までの間は自衛隊機を飛行させないこととしており、飛行場周辺の騒音等についても留意して運営をしている」と語った。また「引き続き、厚木基地周辺の生活環境の整備等に努めていく」と語った。

 これは基地周辺住民ら約6900人が自衛隊機や米軍機の深夜から早朝の飛行差し止めと騒音被害への損害賠償を求めていたもの。高裁は自衛隊機について訴えを認め、過去の騒音被害82億円に、来年末までの将来被害も含め総額で94億円の損害賠償を認めた。米軍機については差し止め請求を認めなかった。(編集担当:森高龍二)