イラクでの空自輸送の過半が米兵の輸送だった

2015年07月31日 08:42

イラク復興特別措置法に基づいて政府が航空自衛隊をイラクに派遣した2004年3月3日から2008年12月12日までの間に同自衛隊が輸送した4万7000人の半数以上が米兵で、国連職員の輸送はわずか6%に過ぎなかったことを参院安保特別委員会で30日、生活の党の山本太郎共同代表が取り上げた。

 山本共同代表は2009年10月に防衛省が開示した資料によるとしたうえで、航空自衛隊がイラクに派遣されていた期間、イラクでの活動の全記録をみると、全体で4万6479人を輸送していたが、当時の説明では、航空自衛隊はイラクで国連、多国籍軍の輸送ニーズを踏まえ、人道復興支援のための人員、物資の輸送を行っていると説明していたので、そのほとんどは国連関係者かと思ったが、『実際は、国連関係者は6%ほどで、その10倍にあたる約60%は米軍や米軍属だった』と指摘。中谷元防衛大臣も「米軍人が約半数の2万3727人だった」と答えた。安倍晋三総理は「あくまで、イラク特措法に基づく輸送だった」とした。

 また山本共同代表は2007年の1年間にイラクで2万4000人の民間人が死亡している。自衛隊のクエートへの派遣は2006年7月だったが、2007年の1年間で米軍が爆撃した回数は1447回だった。テロとの戦いとして先進国が始めた戦いで、多くの市民が犠牲になった。安倍総理はイラク戦争に賛成した。米兵輸送にも賛成した。航空自衛隊のイラクでの多国籍軍の兵員輸送には名古屋高裁が「多国籍軍の武装兵員を戦闘地域であるバグダッドに空輸する活動は、他国による武力行使と一体化した行動で、武力行使を行ったとの評価を受けざるを得ない」とし、違憲判決(2008年4月)が確定しているなどをあげ、まずイラク派遣に対する検証が必要だと安倍総理に検証をするよう求めた。(編集担当:森高龍二)