【メガバンクの4~6月期決算】海外業務、手数料収入、株式売却益が好調で対前年同期比で揃って利益拡大

2015年08月03日 08:23

 7月31日、3大メガバンクの4~6月期(第1四半期)決算が出揃った。全て増収増益で、みずほの四半期純利益を除くと2ケタの増収増益が揃った。日銀のゼロ金利政策が続き、金融機関間の貸出競争も激しく国内の貸出利ざやは引き続き縮小傾向だが、海外事業が好調で本業のもうけを示す実質業務純益は揃ってプラス。金融商品販売の手数料収入など非金利収支、株式売却益の増加が利益を押し上げた。純利益の通期見通しに対する進捗率は揃って25%を上回っている。

 ■2ケタの増収、増益が並んだ好調な決算

 4~6月期の実績は、三菱UFJ<8306>は経常収益19.8%増、経常利益22.8%増、四半期純利益15.5%増の2ケタ増収増益で、邦銀で初めて当期純利益が1兆円を突破した前期を上回るペース。三菱東京UFJ銀行、三菱UFJ信託銀行2行合算の実質業務純益は28.8%増の3255億円。国内の貸出利ざやが0.09ポイント減の1.02%と目減りした他、国債など債券関連の収益が縮小し、与信関係の費用も増加した。それを、アメリカやタイでの貸出増加を反映した前年同期比約7000億円の海外融資残高増に伴う貸出利息の大幅増、投資信託などの販売に伴う手数料収入の増加、国内の株高による株式売却益の増加が補い、大幅増益になった。

 みずほ<8411>は経常収益13.0%増、経常利益14.7%増、四半期純利益2.1%増の増収増益。みずほ銀行、みずほ信託銀行2行合算の実質業務純益は2.1%増の1556億円。資金利益は減少したが、国債や株式の売買益の増加、投資信託販売の手数料収入など非金利収支の増加、経費の減少などが寄与して最終利益も増益になった。

 三井住友FG<8316>は経常収益12.6%増、経常利益10.1%増、四半期純利益16.1%増の2ケタ増収増益。三井住友銀行単体の実質業務純益は4.2%増の2394億円。北米を中心に約5000億円増加した海外融資残高や、銀行単体の国債等債券損益の増加、傘下の証券会社の手数料収入増、株式売却益などが寄与して大幅増益決算になった。

 ■純利益の進捗率は揃って25%を上回る

 2016年3月期の通期業績見通しは、三菱UFJ<8306>は当期純利益の目標は8.0%減の9500億円、予想年間配当は18円で修正なし。通期見通しに対する4~6月期の四半期純利益の進捗率は29%だった。

 みずほ<8411>は当期純利益2.9%増の最終増益、予想年間配当7.5円の通期見通しに修正なし。通期見通しに対する4~6月期の四半期純利益の進捗率は25%だった。

 三井住友FG<8316>は経常利益6.1%減、当期純利益0.8%増、予想年間配当150円の通期見通しに修正なし。通期見通しに対する4~6月期の四半期純利益の進捗率は35%と好調で、通期利益見通しの上方修正の可能性が高まっている。