日産自動車<7201>は29日、2015年4~6月期の連結決算を発表。それによれば、海外での販売が好調に推移したことが要因となって、最終利益が前年同期比36.3%アップの1527億円であったことがわかった。同期として売上高、最終利益それぞれが過去最高を更新した。
日産自動車の発表によれば、売上高は前年同期比17.6%アップの2兆8993億円で、同期としては過去最高。営業利益は前年同期比58.0%アップの1937億円、経常利益は前年同期比45.2%アップの2159億円、そして最終利益も同期としては過去最高となる前年同期比36.3%アップの1527億円であった。営業利益率(中国合弁比例連結ベース)は7%だった。中期経営計画で17年3月期に8%を目標にしているが、販売増加やコスト削減、収益力強化などの「総合力で1%の上乗せをめざす」と語った。
販売台数を地域別に見てみると、利幅の大きいスポーツ型多目的車を中心に好調に推移した北アメリカは前年同期比8.9%アップの48万6000台、欧州は前年同期比10.7%アップの18万9000台であった。国別に見てみると、日本が前年同期比10.0%ダウンの12万台で、今なお14年4月に実施された消費税増税の影響が色濃く残っていることがうかがえる。そのほか、ロシアやタイなどの一部新興国の販売台数も落ち込みをみせた。ロシアは前年同期比12.6%ダウンの3万4000台と不振に終わった。その一方で、アメリカは前年同期比5.5%アップの36万9000台と過去最高を更新。スポーツ型多目的車の販売が好調に推移した。そのほか、メキシコやカナダも2桁伸長となった。全世界での販売台数は前年同期比4.4%アップの129万4000台であった。
そして日産自動車は同日、16年3月期通期の業績予想を発表。それによれば、売上高は前期比6.4%アップの12兆1000億円、営業利益は前期比14.5%アップの6750億円、最終利益は前期比6.0%アップの4850億円と従来の予想を据え置いた。また全世界での販売台数についても、従来の見通しの通り世界市場シャアの6.5%に相当する前期比4.4%アップの555万台のまま据え置いた。(編集担当:滝川幸平)