スマートフォン(多機能携帯電話)やタブレット端末の利用者の増加に伴いデータ通信料収入が好調に推移したことや、決済手数料収入の増加、さらには端末の販売手数料などのコスト削減効果などにより、携帯電話会社大手のKDDI<9433>は2015年4~6月期連結決算において、売上高、営業利益、最終利益それぞれで同期の過去最高を更新した。今期より国際会計基準(IFRS)に準拠したが、これで3期連続で増収増益をはたした。
KDDIは7日に15年4~6月期連結決算を発表。それによれば、売上高は前年同期比7.1%アップの1兆465億円、営業利益は前年同期比19.3%アップの2309億円、最終利益は前年同期比29.2%アップの1439億円という結果であり、それぞれ4~6月期として過去最高を更新した。
今回、売上高、営業利益、最終利益それぞれで過去最高を更新したKDDIだが、その背景には携帯電話と固定回線をセット割する「auスマートバリュー」による契約者拡大がある。契約者1人あたりの月間売上高(ARPA)は前年同期比4.0%アップの4654円に上昇。さらに契約者1人あたりの端末数は前年同期の1.34台から1.38台に拡大した。契約者の純増数は前年同期比41.0%アップの52万件で、法人分野を加えると約60万件の純増となる。MNP(番号持ち出し制度)については非開示。
契約者1人あたりの月間売上高(ARPA)が上昇した以外にも、「auスマートパック」が前年同期比23.0%アップの1319万件、「au WALLET」の申し込み数が1290万件と、今回の結果にはこうした顧客の拡大が大きく影響している。KDDIは今後も決済サービスでの流通総額を拡大させていく方針を示している。またミャンマーで手がけている通信事業も、1年間でMPTの契約数が倍増して1400万件を超えるなど、大きく伸長している。同社は今年度末にミャンマーでのエリアの人口カバー率を70%にまで高めるとの目標を掲げている。
そして16年3月期通期の業績予想については、売上高を4兆4000億円、営業利益を8200億円、最終利益を4900億円と従来の予想のまま据え置いた。(編集担当:滝川幸平)