NTTドコモ、3年ぶりに増収増益をはたす

2015年08月03日 07:45

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 NTTドコモが3年ぶりとなる増収増益をはたした。

 NTTドコモ<9437>が3年ぶりとなる増収増益をはたした。29日、NTTドコモは2015年4~6月期の連結決算(米国会計基準)を発表。それによれば、売上高にあたる営業収益は前年同期からほぼ横ばいの1兆769億円で、純利益は前年同期比24%アップの1687億円という結果であった。今回の3年ぶりの増収増益の背景には、動画配信や買い物などの通信サービスを提供する「スマートライフ」事業において契約数は順調に推移したことや、設備投資の抑制により費用が削減され事業通信の利益率が改善したことなどがある。営業利益は前年同期比12%アップの2353億円であった。

 売上高にあたる営業収益は前年同期比0.1%アップと微増しながらも、「スマートライフ」事業が順調に推移したことにより、1兆769億円となった。「スマートライフ」事業以外にも、タブレット端末の「2台目需要」を取り込むことに成功したことなども寄与した模様。そして動画、書籍、音楽配信サービスなどの「dマーケット」の契約数も前年同期比65%アップの1235万件となり、1人あたりの利用料は前年同期比30%アップの1200円となった。
 
 さらには通信事業も設備投資抑制により、利益率が改善。そのほか、携帯電話の契約純増数も94万件と倍増。番号持ち出し制度(MNP)による他社への転出も前年同期の9万件から3万件へと大幅に縮小した。契約者の間で大容量コースを選ぶ人が増えており、1人あたりのデータ通信料収入も増加傾向にある。

 そして16年3月期通期の業績予想については、売上高にあたる営業収益を前期比3%アップの4兆5100億円、営業利益を前期比6%アップの6800億円、純利益を前期比15%アップの4700億円と従来の予想を据え置いた。NTTドコモは今回の結果に関して、同社の収益計画に対して順調に進捗しているとの見方を示しているが、親会社のNTT<9432>の業績にまで影響をおよぼすまでになった同社の不振は、まだまだ根深い。このまま波に乗って業績を上向きにすることができるのかどうか、その成否はもう少し待たなければいけないだろう。(編集担当:滝川幸平)